2003 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞におけるミトコンドリア機能の調節機構:mPTPの作動様式と生理学的意義
Project/Area Number |
13670703
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Research Institution | HAMAMATSU UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
加藤 秀樹 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80314029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 秀晴 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50135258)
寺田 肇 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50252177)
佐藤 洋 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (30293632)
本荘 晴朗 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (70262912)
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Keywords | ミトコンドリア / 共焦点レーザー顕微鏡 / calcium / permeability transition pore / saponin / cyclosporin A / diazoxide |
Research Abstract |
心筋細胞において、mPTPの開口を共焦点レーザー顕微鏡を用いて画像法により直接評価する方法を開発し、ミトコンドリア(Mito)のATP感受性K^+チャネル開口薬であるDiazoxide (Dz)によりcalceineの蛍光強度が低下し、この効果はmPTPの選択的な阻害剤であるcyclosporin A (CsA)により完全に抑制されることから、DzがmPTPを開口することを示してきた。また、Ca^<2+>感受性色素のrhod-2とsaponinを用いることで、permeabilized myocyteにおいて、ミトコンドリア内のca^<2+>濃度([Ca^<2+>]_m)の測定法を確立して、Dz (1μM、5μm、10μm)は濃度依存性に[Ca^<2+>]_mを減少することを確認した。今回は、Mitoにおける[Ca^<2+>]_mの調節機構の詳細について、Mitoの膜電位との関係を検討した。Mitoの膜電位を脱共役剤であるFCCP (0.3-1uM)を用いて完全に脱分極させると、[Ca^<2+>]_mは低下したが、その程度は50%にとどまった。MPTPの抑制剤であるCsAによって、FCCP投与時の[Ca^<2+>]_mは更に低下し、膜電位を完全に脱分極させた状態では、mPTPを介してCa^<2+>がMito内に流入したことが示された。またMito内膜のNa^+/Ca^<2+>交換の関与についても検討し、膜電位が消失した状態でも、Na^+/Ca^<2+>交換を介したMitoからのCa^<2+>のくみ出しが働いていることを確認した。これらの検討により、膜電位の脱分極が起こるような病態下では、mPTPとNa^+/Ca^<2+>交換によるCa^<2+>の流入とくみ出しのバランスが重要であることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)