2002 Fiscal Year Annual Research Report
プレコンディショニングの虚血耐性増強におけるミトコンドリア内Ca^<2+>変化
Project/Area Number |
13670743
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
石田 英之 東海大学, 医学部, 助教授 (20222424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 俊明 千葉大学, 医学部, 助教授 (60244159)
伴 和信 東海大学, 医学部, 講師 (90256090)
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Keywords | ミトコンドリア / カルシウム / ATP / プレコンディショニング / 虚血耐性 |
Research Abstract |
ミトコンドリア内Ca^<2+>変化を直接測定し、虚血耐性の増強にミトコンドリア内Ca^<2+>変化が関係しているかを解明するために、本年度の研究では、細胞内Ca^<2+>動態へのミトコンドリアの影響を検討した。 [方法]心室筋細胞のミトコンドリアのCa^<2+>濃度および細胞内のCa^<2+>濃度はCa^<2+>蛍光指示薬Rhod-2およびfluo-3を用いニポウ式共焦点顕微鏡で観察した。ミトコンドリアのCa^<2+>unipoterの阻害剤はR360を用いた。 [結果]Caffeineの部分的添加で局所的に上昇したCa^<2+>は、細胞内を伝播しなかった(n=10)。一方、ミトコンドリアのCa^<2+>uniporterの阻害剤Ru360(5μM)添加時では、caffeineによる局所的Ca^<2+>上昇は伝播した(n=9)。Ru360の添加により静止時の細胞内Ca^<2+>濃度が100nMから134nMに上昇し、筋小胞体のCa^<2+>貯蔵量も1.4倍に増加した。しかし、細胞外液Ca^<2+>濃度の上昇(1.08mMから3.24mM)による静止時の細胞内Ca^<2+>濃度上昇(130nM)や筋小胞体のCa^<2+>貯蔵量の増加では、caffeineによる局所的Ca^<2+>上昇は伝播しなかった(n=9)。さらに、細胞外液Ca^<2+>濃度を0.54mMに減少して、Ru360添加後の静止時の細胞内Ca^<2+>濃度が上昇しない場合でも、caffeineによる局所的Ca^<2+>上昇は伝播した。 [結論]これらの結果から、心室筋細胞においてミトコンドリアがCa^<2+>unipoterを介して細胞内Ca^<2+>に関与していることが示唆された。 これらの結果は、第46回米国生物物理学会、第19回国際心臓研究会日本部会で発表された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Ritter, Z.Shu, K.DPhilipson, F.Li, K.W.Spitzer, H.Ishida, W.H.Barry: "Ca^<2+>sparks Induced by Na/Ca exchange"Cell Calcium. (in press). (2003)
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[Publications] H.Seguchi, M.Ritter, F.Li, H.Ishida, N.Aosaki, W.H.Barry: "Dose the mitochondrial Ca^<2+> uniporter contribute to local control of Ca^<2+> release?"Biophysical Journal. 82(Abstract). (2002)