2001 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞の障害部位に、血流条件下で形成される血小板血栓の形成メカニズム
Project/Area Number |
13670744
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
後藤 信哉 東海大学, 医学部, 講師 (50225653)
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Keywords | 血小板 / 白血球 / 血流 / 血管内皮 / 血栓 |
Research Abstract |
コラーゲンを固相化したガラス板の上に、任意の壁ずり速度の条件で血液を灌流するflow chamberシステムを用いて、血管内皮細胞の損傷部位に血液を灌流するモデルを作成した。メパクリンにより、血小板および白血球の濃染顆粒を蛍光標識した。レーザー共焦点顕微鏡を用いて、コラーゲンと血小板の相互作用、血小板血栓の3次元的形成過程、血小板と白血球の相互作用を各々分離してイメージングすることを可能とした。コラーゲン上に、狭窄した小動脈に相当する高いずり速度(1,500s^<-1>)の条件で血液を灌流したところ、血小板血栓が形成され、時間経過とともに、血管内腔の方向に向かって山のような形状で3次元的に成長した。高ずり速度下では、血小板と白血球の相互作用は明らかにならなかった。モノクローン抗体を用いた検討により、血小板血栓の3次元的成長にはフィブリノーゲンなどの血漿リガンドと血小板膜糖蛋白GP IIb/IIIaの相互作用のみではなくて、von Willebrand因子と血小板膜糖蛋白GP Ibαの相互作用が必須であることが示された。低ずり速度(100s^<-1>)の条件では、コラーゲン上に血小板が接着し、血小板上に白血球がrolllingすることを確認した。レーザー共焦点顕微鏡を用いることにより、血小板とコラーゲンの相互作用、血小板と白血球の相互作用を別個の相として描出することが可能となった。モノクローン抗体を用いた検討により、血小板上に発現したP-selectinが白血球と血小板の相互作用に必須の役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 後藤信哉: "動脈硬化の発症と進展に関与する血小板と白血球の相互作用の分子機構-血流条件下の検討-"分子循環器研究講演会講演記録集. 9. 31-33 (2001)
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[Publications] Sakakibara M: "Application of ex vivo Flow Chamber System for the Assessment of Stent Thrombosis"Arteriosclerosis,Thrombosis,and Vascular Biology. (発表予定). (2002)