2002 Fiscal Year Annual Research Report
心臓における5'AMP-activated protein kinaseの役割
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13670747
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
谷口 正幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70179844)
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Keywords | 脂肪酸代謝 / 虚血再灌流 / AMPK |
Research Abstract |
目的:5'AMP-activated protein kinase (AMPK)の再灌流後の心機能障害と脂肪酸代謝、糖代謝、グリコーゲン代謝の調節機構を明らかにする。これまで虚血時間の長さにより心機能の低下が著明となり、脂肪酸代謝の亢進が認められることを明らかにし、心機能回復にAMPKが深く関与している可能性が示唆された。AMPKを調節する薬剤を投薬し、心機能回復に対する効果を明らかにする。 方法:虚血・再灌流時の糖脂質代謝の変化と心血行動態の回復率を検討。まず好気的灌流、虚血時、再灌流時の心臓の基質の利用はアイソトープを用い測定し、血行動態との関連を検討。次に、虚血前、虚血中、再灌流後の心臓をそれぞれ採取し、高エネルギーリン酸化合物、AMPKの測定。 (1)虚血再灌流時の心機能と糖、脂質代謝について ラット摘出心を用いて、Working Heart法にて灌流。好気的灌流後no-flow ischemiaを30分作成し、60分の再灌流を行う。 (2)Acetyl-CoA carboxylase(ACC)とAMPK活性の測定 ACCの活性は14C-bicarbonate fixation assayにて、AMPK活性はHardieらの方法により測定する。 結果:虚血時間30分、再灌流60分の場合心機能の回復は20.3%と有意にその回復率は低値を示した。AMPKの活性は0.58±0.14、と有意な高値を示し、ACCは4.2±0.3と有意な低値を示した。AMPKの刺激薬であるAcadesineでは心機能回復は低下し、抑制薬であるIodotubercidinでは有意な改善を示した。 考察:虚血再灌流時の脂肪酸代謝の亢進が認められた。そして、再灌流後の心機能回復にAMPKが深く関与し、AMPKの調節(抑制)により心機能が有意に改善することが明らかにされた。
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Research Products
(1 results)