2001 Fiscal Year Annual Research Report
拡張型心筋症に対する抗心筋膜受容体抗体吸着療法の開発-実験的検討-
Project/Area Number |
13670753
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
松井 忍 金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (00064600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早瀬 満 金沢医科大学, 医学部, 講師 (90064592)
山口 宣夫 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10106916)
勝田 省吾 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40110613)
栗原 孝行 金沢医科大学, 総合医学研究所, 講師 (20064595)
浅地 孝能 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00183137)
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Keywords | 拡張型心筋症 / 心筋膜受容体 / β_1受容体 / 自己抗体 / 吸着療法 / SCIDマウス |
Research Abstract |
1)ヒト拡張型心筋症のSCIDマウスへの移入実験 抗β1受容体抗体を有する拡張型心筋症患者の自己抗体あるいは/ならびにリンパ球を放射線照射したSCIDマウスの腹腔内へ投与し、60日後に屠殺。マウス血液中のヒト抗β1受容体抗体の存在、脾臓組織におけるヒトリンパ球の生着・増殖の有無、および、心筋病変、とくに、心筋膜へのヒトIgGの沈着、ヒトリンパ球の浸潤が見られるか否か検討した。その結果、少数のSCIDマウスの心臓にヒトIgGの沈着とヒトリンパ球(T細胞およびB細胞)の浸潤が認められた。このことは、ヒト拡張型心筋症の一部が自己免疫疾患である可能性を示唆する。 2)抗心筋膜受容体抗体吸着療法の開発 合成β1ペプチドにて免疫されたウサギ血清からアフィニテイ精製したIgGとβ1受容体第2細胞外ループに一致する種々の長さの合成ペプチドとの親和性をBIAcoreを用いて検討した。その結果、KD値は4×10^<-5>〜4×10^<-7>であった。この結果を参考にして、材質・孔サイズの異なる3つの担体に等モルのβ1受容体の第2細胞外ループに一致する合成ペプチドを固定した吸着体を合成し、その吸着体:抗β1受容体抗体陽性患者血清=1:6の条件で吸着実験を行った。その結果、材質がセルロースで、孔のサイズが5×10^6daltons以下の担体で吸着効率は約70%前後であった。また、γ線による滅菌操作でもその効率は影響を受けなかった。以上の成績より拡張型心筋症に対する自己抗体吸着療法の臨床応用の可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Matsui S.: "Beneficial Effect of Muscarinic-2 Antagonist on Dilated Cardiomyopathy Induced by Autoimmune Mechanism against Muscarinic-2 Receptor"J Cardiovasc. Pharmacol. 38(Suppl.1). S43-S49 (2001)
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[Publications] Matsui S.: "Prevention of Experimental Autoimmune Cardiomyopathy in Rabbits by Receptor Blockers"Autoimmunity. 34. 217-220 (2002)
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[Publications] Song B.C.: "Methimazole interferes with the progression of experimental autoimmune myocarditis in rats"Autoimmunity. 34. 265-274 (2002)