2002 Fiscal Year Annual Research Report
アンジオテンシンII2型受容体の血管平滑筋イオンチャンネル調節機構の解明
Project/Area Number |
13670762
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
正木 浩哉 関西医科大学, 医学部, 講師 (60298883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 弘明 関西医科大学, 医学部, 助教授 (10239072)
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Keywords | アンジオテンシンII / 受容体 / 血管平滑筋 / イオンチャネル |
Research Abstract |
【研究目的】申請者らは、アンジオテンシンII2型受容体(AT2-R)過剰発現マウスにおいてアンジオテンシンII(AngII)負荷に対し、アンジオテンシンII1型受容体(AT1-R)作用に拮抗した血管拡張作用介した血圧低下作用がみられることを報告している。この作用機序を考えるにあたり、AT2-Rが血管平滑筋イオンチャネルに作用している可能性が考えられる。血管拡張には血管平滑筋に存在する各種イオンチャンネルが重要な役割を果たしている。従って、本研究においては、AngIIのAT2-Rを介した血管平滑筋の各種イオンチャンネルヘの作用を明らかにする目的で、AT2-R過剰発現マウスの腹部大動脈より急性単離した血管平滑筋細胞を使用し、電気生理学的手法を用い検討する。 【方法】野生型マウスおよびAT2-R過剰発現マウスより静脈麻酔下で開腹にて腹部大動脈を摘出し、外膜、内皮・脂肪・結合組織を取り除き、平滑筋を取り出した。分離した平滑筋をコラーゲンおよびトリプシン処理し、血管平滑筋細胞を単離した。この単離した血管平滑筋細胞を用いホールセルのパッチクランプを実施し、L型Ca^<2+>チャンネルおよび各種K^+チャンネルについて基礎検討をおこなった。 【結果】昨年度の研究実績報告で野生型およびAT2-R過剰発現マウスの血管平滑筋細胞において、L型Ca^<2+>チャンネルおよび各種K^+チャンネルのCurrent density, Inactivation・Activation Kinetics等についての基礎検討をおこなった結果、それぞれ有意の差を認めなかった。平成14年度においては引き続きNa^+チャンネル、Na^+K^+ATP aseのCurrent density, Inactivation・Activation Kineticsについて検討をした結果、AT2-R過剰発現マウスの血管平滑筋細胞のNa^+チャンネルでは野生型に比してのCurrent densityが減少していることが示唆された。現在この点について更に検討を進めている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tateishi-Yuyama E, Matsubara H, Murohara T, Ikeda U, Shintani S, Masaki H, et al.: "Therapeutic angiogenesis for patients with limb ischaemia by autologous transplantation of bone-marrow cells : a pilot study and a randomized controlled trial"LANCET. 360. 427-435 (2002)
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[Publications] 正木 浩哉, 松原弘明, 高橋伯夫, 西川光重: "New strategy for Limb ischaemia"J Osaka Society for Dialysis Therapy. 20. 145-150 (2002)
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[Publications] Shibasaki Y, Nishiue T, Masaki H, Matsubara H, Iwasaka T: "Angiotensin II type 1 antagonist suppress left ventricular hypertrophy and myocardial fibrosis in patient with end stage renal disease (ESRD)"Nippon Rinsho. 60. 1992-1998 (2002)
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[Publications] Takahashi H, Masaki H.Komiyama Y, Masuda M, Nishimura M: "Effect of vasodilatory beta-adrenoreptor blockers on cardiovascular hemodynamics in anaesthetized rats"Clin Exp Pharmacol Physiol. 29. 198-203 (2002)