2001 Fiscal Year Annual Research Report
生体内血栓に対するHMG CO A還元酵素阻害薬の予防効果に関する研究
Project/Area Number |
13670768
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
加藤 宏司 久留米大学, 医学部, 助手 (70279165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室原 豊明 久留米大学, 循環器研究所, 講師 (90299503)
池田 久雄 久留米大学, 医学部, 助教授 (50168134)
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Keywords | 血栓症 / HMG Co A 還元酵素阻害薬 / 血小板 |
Research Abstract |
1)ラット頸動脈血栓症モデルに対するセリバスタチンの予防効果 Vehicle群8匹、セリバスタチン1mg/kg8匹、セリバスタチン2mg/kg8匹、セリバスタチン5mg/kg8匹の1週間連日投与を行った後、ラット頸動脈血栓症モデルを作成し、その閉塞までに要した時間を比較検討した。Vehicle群とセリバスタチン1mg/kgでは有意差は認めなかったが、セリバスタチン2mg/kg・セリバスタチン5mg/kgではVehicle群に比し有意に閉塞までの時間が延長し、生体内血栓形成が抑制されることが明らかとなった。さらに、セリバスタチン2mg/kgと5mg/kgの間にも有意差が認められ、セリバスタチンの生体内血栓抑制効果には用量依存性があることが明らかになった。また、脂質系(総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール)の分析を行い、セリバスタチンの上記投与用量・期間では影響のないことを確認した。 2)ラット血小板に対するセリバスタチンの効果 上記セリバスタチン投与を行った個体から採血・血小板分離して、ADP・トロンビンで刺激したときの血小板凝集率および血小板表面P-selectin発現率を測定し比較検討した。血小板凝集率はセリバスタチン投与により、用量依存性に有意に低下した。また、血小板表面P-selectin発現率もセリバスタチン投与により、用量依存性に有意に低下した。これらのことから、セリバスタチン投与はin vivoにおいて血小板活性化を抑制することが明らかになった。 以上のことよりセリバスタチンはin vivoにおいて血小板活性化を抑制することにより、血栓形成を抑制することが示唆された。 現在、凝固系に対する影響・作用機序についての解析が進行中である。
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