2001 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児突然死症候群(SIDS)発症におけるセロトニントランスポーター遺伝子の関与―生化学及び発生工学的実験による裏付け
Project/Area Number |
13670782
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
成田 正明 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (80302404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 奈緒子 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (40306189)
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Keywords | セロトニン / トランスポーター / 遺伝子多型 / 乳幼児突然死症候群 |
Research Abstract |
乳幼児突然死症候群(以下SIDS)の発症原因には神経伝達物質セロトニンの関与が指摘されてきたがその詳細は不明のままである。研究代表者等は最近セロトニン活性を調節するセロトニントランスポーター(5HTT)遺伝子の多型(5HTTLPR)分布がSIDS患者で正常と著しく異なっていることを見いだし本症発症に遺伝的因子が関与していること、セロトニンが関与していることを見いだした。その後この流れに沿って神経性無食欲症(AN)患者でも5HTTLPRが関連していることを見いだした。更にAN患者では血中セロトニン濃度が正常に比し有意に高いこと、SIDS患者でも著明に集積していたXLアリルがANでも多数存在していることを見いだした。興味深いことにこのXLアリルは情緒の障害患者で見られることも見いだした(未発表データ)。このXLアリルを含めた5HTTLPRの様々なアリルが体内、特に脳内でどの様にセロトニン系を調節しているかを解明できれば上記疾患の病態解明が大きく前進することになる。そこで研究代表者はこの5HTTLPRプロモーター領域のアリルの違いが5HTT発現量を変化させ、その結果セロトニン濃度を変化させ、これらの疾患を発症させるのではないかと考えプロモーター領域のアリルの違いによる転写活性の違いを、in vitroで明らかにすることとした。様々なアリル(S、L、XL)を持つヒトgenomic DNAを鋳型として、多型を含むプロモーター領域のほぼ全長(2053bp)をPCR法で増幅する。正確に遺伝子増幅がなされたかどうか塩基配列を確認するとともに現在はそれぞれのアリル別の増幅した遺伝子を、ヒト成長ホルモン(hGH)遺伝子をレポーター遺伝子として持つ発現ベクター(pφGHベクター)のプロモーター部位に組み込む作業を行っている。組み込み終了後は、JAR細胞(ヒト絨毛癌株細胞、アメリカ組織培養センターより購入済み)にtransfectionし、48時間後培養液中に分泌されるhGHを^<125>I標識抗hGH抗体で測定の予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Okado N.: "Biogenic amine-synapse mechanism for mental retardation and developmental disabilities"Brain & Development. 23supl. S11-S15 (2001)
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[Publications] Okado N.: "Serotonin malfunction hypothesis by finding clear mutual relationships between several risk factors and symptoms associated with SIDS"Medical Hypothesis. (発表予定).
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[Publications] Sakata-Haga H.: "Differential localization and colocalization of two neuron-types of sodium-dependent inorganic phosphate cotransporters in rat forebrain"Brain Research. 902(2). 143-155 (2001)
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[Publications] Narita M.: "Serotonin Transporter Gene Variation is Associated with Eating Disorder"Pediatric Research. 49.1. 184A (2001)