2001 Fiscal Year Annual Research Report
小児アレルギー性疾患におけるT細胞サブセットとCCR7発現の病態生理的意義
Project/Area Number |
13670786
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
足立 雄一 富山医科薬科大学, 医学部附属病院, 講師 (80184191)
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Keywords | ケモカイン / ケモカインレセプター / CCR7 / T細胞 / アレルギー性疾患 / 小児 / Th1 / Th2 |
Research Abstract |
生体では、未熟なナイーブT細胞は種々の抗原に暴露されることによって成熟する。その一部は活性化T細胞としてサイトカインなどを介して直接作用し、残りはメモリーT細胞となって生体内を循環しながら将来の抗原暴露に備えている。このようT細胞の成熟過程は小児期早期から認められ、その時期にアレルギー性疾患の発症する頻度が高いことと考え合わせると、T細胞の成熟過程のアンバランスがアレルギー性疾患発症につながる可能性が示唆される。近年、ケモカインレセプターのひとつであるCCR7の発現が、T細胞の成熟過程と関連する可能性が示された。昨年度の研究では、ヘルパー(CD4陽性)T細胞とサプレッサー(CD8陽性)T細胞におけるCCR7発現とその機能を解析する目的で、それぞれの細胞を活性化マーカーの代表であるCD45ROとCCR7との関係で検討した。まず、ヘルパーT細胞はCD45RO陰性CCR7陽性、CD45RO陽性CCR7陽性、CD45RO陽性CCR7陰性の3群に、一方サプレッサーT細胞はCD45RO陰性CCR7陽性、CD45RO陰性CCR7陰性、CD45RO陽性CCR7陰性の3群に大別された。それぞれの細胞のサイトカイン産生を検討すると各群間でその産生量は大きく異なり、CCR7ならびにCD45ROを指標としてT細胞の成熟過程を検討することの妥当性が示された。次に、0から15歳までのアレルギー性疾患患者ならびに非アトピー対照についいて末梢血T細胞におけるCCR7ならびにCD45RO発現を検討した。その結果、加齢とともに発現細胞の比率が変化することが明らかとなった。また、アレルギー性疾患患者と非アトピー対照との間では、いくつかの年齢群においてサブセットの割合に有意差を認めた。現在、Th1細胞マーカーであるCXCR3、Th2細胞マーカーであるCCR4の発現との関係を検討中である。
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