2001 Fiscal Year Annual Research Report
小児アレルギー疾患の発症に関わるヒト肥満細胞系列特異的転写因子の同定
Project/Area Number |
13670790
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小池 健一 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40143979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上條 岳彦 信州大学, 医学部, 講師 (90262708)
上松 一永 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60262721)
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Keywords | 肥満細胞 / stew cell factor / CD34陽性細胞 / ヒスタミン / インターロイキン6 / インターロイキン4 |
Research Abstract |
Stem cell factor(SCF)とトロンボポエチンの両者を添加した無血清培養システムを用いて、アレルギー疾患患児の末梢血CD34陽性細胞からの肥満細胞産生能を検討した。無症候期の気管支喘息患者の末梢血CD34陽性細胞は、正常対照よりも明らかに多くの肥満細胞を産生した。これは、CD34陽性細胞中に肥満細胞系前駆細胞がより多く含まれているためと、前駆細胞のSCF感受性が亢進していることが原因と考えられた。無症候期の気管支喘息であっても気管支肺胞洗浄液中の肥満細胞は増加していると報告されている。これらの結果を考えあわせると、気管支喘息患者においては循環血中から組織への肥満細胞の補充システムが常にonの状態になっているものと思われる。次いで、G-CSFにより動員された末梢血あるいは臍帯血CD34陽性細胞から産生される培養ヒト肥満細胞の増殖能,分化形質を比較した。IgE受容体依存性histamine遊離能とIL-4,IL-6添加の影響も併せて検討した。その結果、末梢血由来肥満細胞(PBMC)は,臍帯血由来肥満細胞(CBMC)に比べhistamine,tryptase,chymaseをより多く含んでいた。また,PBMCは,CBMCよりもIgE受容体を高発現していた。PBMCのIgE受容体依存性histamine遊離能は,CBMCのそれよりも明らかに高値を示した。IL-4,IL-6を添加すると,PBMCの細胞内histamine量の増加とともに,IgE受容体依存性histamine遊離量の増加もみられた。また、IL-4とIL-6の間には相乗効果が認められた。PBMCは,CBMCに比べてhistamine遊離能などの検討において,よりすぐれたsourceと考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sakashita, Koike: "Dynamic DNA methylation change in the CpG island region of p15 during human myeloid development"J Clin Invest. 108. 1195-1204 (2001)
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[Publications] Mwamtwmi, Koike et al.: "An increase in circulating mast cell colony-forming cells in asthma"J Immunol. 166. 4672-4677 (2001)
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[Publications] Hagimoto, Koike: "A possible role for maternal HLA antibodyin a case of alloimmune neonatal neutropenia"Transfusion. 41. 615-620 (2001)