2002 Fiscal Year Annual Research Report
川崎病遠隔期例の動脈硬化進展に関する研究-内皮機能障害からみた検討-
Project/Area Number |
13670826
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
坂田 耕一 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40254362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 公 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80295659)
糸井 利幸 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (10264780)
濱岡 建城 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (60189602)
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Keywords | 川崎病 / 血管内皮機能 / 動脈硬化 / スクリーニング / NO関連因子 |
Research Abstract |
【背景】動脈硬化がpost inflammatory diseaseと考えられることから、川崎病血管炎が早発動脈硬化の危険因子であると言われて久しい。しかし、支持も否定する根拠も無いのが実情である。その理由として1)動脈硬化因子が多岐にわたり、2)長期間の系統立った経過観察が困難、3)簡便且つ再現性の高いスクリーニング手法が無いこと、4)組織学的検討が困難、などがあげられる。一方で医療経済の観点に立った検討も急務となっている。その為、患者の適切な長期管理のためには外来にて簡便に施行しうるスクリーニング法の確立が不可欠である。【研究目的・項目】既往児の血管内皮細胞障害評価や動脈硬化進展予測因子として(1)%FMD、(2)PWV、(3)患者血中ADMA+SDMA/L-ARG,(4)血・尿中NOX (N02-+ N03-)について検討し、相関性・関連性を検討する。【方法】(1)%FMD:右上腕動脈の駆血後再灌流に伴う反応性充血を血管径と血流パターン変化から計測,(2)PWV:コーリン社製from PWV/ABIにて計測、(3)ADMA+SDMA/L-ARG : HPLCによって検出、(4)NOX : capillary electrophoresis (CE)によって検出。【結果・考察】(1)%FMD:冠動脈後遺症(CAL(+))群において有意に低下していた。(2)PWV:CAL(+)群で有意に高値を示していた。%FMDとPWVは明瞭な相関性は得られなかった。これは%FMDがPWVに比して鋭敏であるものの、測定誤差が大きく再現性や信頼性に問題があることが一因と考えられた。一方、PWVは迅速・簡便・再現性という点でスクリーニングに適していることを確認できた。(3)ADMA+SDMA ; UV-HPLCでは検出困難で、蛍光誘導体化サンプルをRF-HPLCにかけることで検出可能となった。(4)NOX:当初HPLCによる検出を試みたが、明瞭なchromatogramの分離が困難で、OFM Buffer based CEによって検出可能となった。【展望】今回、一連の生化学検査に関しては、各指標の検出条件決定に期間の大半を要したため生体材料を用いた検討までは行えなかった。今後は再現性を一層高める条件を確認した上で、患者サンプルを用いて検討してゆく。その時点で測定条件の詳細も公表する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 坂田耕一: "川崎病血管炎におけるhHGFとMMP-9の関与"Progress in Medicine. 21(7). 1669-1675 (2001)
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[Publications] 濱岡建城, 坂田耕一: "日本医師会雑誌特別号128(8) 実践診断指針 XII 小児期血管炎症候群"南江堂. 377 (2002)