2003 Fiscal Year Annual Research Report
1型糖尿病における膵β細胞障害性Tリンパ球と標的抗原
Project/Area Number |
13670828
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
川村 智行 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60271186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新平 鎮博 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (50171369)
岡野 善行 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60231213)
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Keywords | 1型糖尿病 / 標的抗原 / 末梢血Tリンパ球 / インスリン / ELISPOT |
Research Abstract |
1型糖尿病の病因は、膵β細胞の自己リンパ球による破壊であり1型糖尿病患者の末梢血中には、膵β細胞特異抗原を認識するリンパ球が存在する。本研究は発症早期の1型糖尿病患者の末梢血中リンパ球をもちいた機能に関する研究である。 今回の研究ではHLA class I抗原とインスリン抗原ペプチドのcomplexを合成し患者末梢血リンパ球中のペプチド特異的リンパ球の頻度をフローサイトメーターにて解析したが、陽性細胞は低頻度であり診断には不適であることを解明した。 そこで、インスリンのoverlapping peptidesを作成し、それらを抗原としたELISPOT ASSAYシステムを構築した。CD4+T cell用の抗原として15アミノ酸からなるA鎖より7種類、B鎖より16種類のペプチド、CD8+T cell用の抗原として8-11アミノ酸によるA鎖より11種類、B鎖より20種類のペプチドを作成して、患者末梢血リンパ球を用いた各種抗原に対するELISPOT assay法おこなった。 その結果、発症早期の患者19名中、13名に陽性ペプチドが同定できた。一方健常人17名においては有意な陽性ペプチドは認めなかった。 したがって、インスリンペプチドを用いたELISPOT法は1型糖尿病の診断に有用である可能性があることがわかった。 またELISPOTで陽性を示したペプチドは1型糖尿病の発症機序に重要な関連を持っている可能性がありその役割について今後さらなる研究をすることが必要であることがわかった。
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