2001 Fiscal Year Annual Research Report
結節性硬化症と大脳皮質異形成における病変形成とてんかん原性
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13670831
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
水口 雅 自治医科大学, 医学部, 助教授 (20209753)
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Keywords | 結節性硬化症 / 局所皮質異形性 / 異常巨細胞 / 免疫組織化学 / Westernブロッティング / hamartin / tuberin / doublecortin |
Research Abstract |
結節性硬化症(TS)の皮質結節と局所性皮質異形成(FCD)は皮質層構造の乱れ、異常巨細胞の存在など共通の組織病理学的特徴を有するため、その異同がしばしば議論される。われわれは今年度、免疫病理学的手法による両者の明瞭な鑑別を目的とし、手術・剖検で採取されたTS8症例、FCD13症例の大脳病変組織を材料として、免疫染色、Westernブロッティングによる比較検討を行った。 まずTSの原因遺伝子の産物hamartin、tuberinの発現を免疫染色により検討したところ、TSでは正常サイズの神経細胞、グリア細胞の免疫反応性が低下していた。異常巨細胞はより強い染色性を示したが、強陽性のものは少なかった。一方、FCDにおける正常サイズの神経細胞、グリア細胞の免疫反応性は対照例と同等であった。またFCDの異常巨細胞にはtuberin強陽性のものが多かった。WesternブロッティングでもTS病変にはhamartin、tuberin発現レベルの低下したものが多く、FCD病変では正常に保たれていた。しかしTSの中でも症例・病変により発現レベルのばらつきが大きく、免疫染色のみで個々の症例につき、TSとFCDを確実に鑑別することは困難だった。 つぎに神経細胞移動を制御する蛋白doublecortinについて検討した結果、TSではdoublecortin陽性の異常巨細胞がFCDより多い傾向があった。しかしTSでも組織学的構築異常の乏しい病変では陽性細胞数が少なく、逆にFCD(grade III)で組織学的異常の強い例は陽性細胞が多いなど、例外もあり、免疫染色のみでTSかFCDかを確実には診断できなかった。 以上のように、TSとFCDを群全体で比較した場合は明確な差があるものの、症例・病変により発現レベルのばらつきが大きいため、免疫病理学的所見のみにもとづいて個々の症例を確実に鑑別することはできなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Becker, A.J., et al.: "Mutational analysis of TSC1 and TSC2 genes in gangliogliomas"Neuropathology and Applied Neurobiology. 27(2). 105-114 (2001)
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[Publications] 高橋康子, 他: "病理組織所見およびhamartin、tuberin発現の免疫組織化学的 検索より結節性硬化症と診断した難治性てんかんの1例"脳と発達. 34(1). 49-54 (2002)
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[Publications] Mizuguchi, M., et al.: "Neuropathology of tuberous sclerosis"Brain and Development. 23(7). 508-515 (2001)
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[Publications] 水口雅: "発達障害医学の進歩13"診断と治療社. 92 (2001)