2002 Fiscal Year Annual Research Report
VIPおよびPACAP誘導体の気管支喘息吸入治療薬への応用に関する基礎研究
Project/Area Number |
13670833
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Research Institution | Dokkyo University School of Medicine |
Principal Investigator |
吉原 重美 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80220713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 裕美 獨協医科大学, 医学部, 助手 (00306200)
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Keywords | 気管支喘息 / PACAP1-27 / PACAP1-27誘導体 / 気道平滑筋 / 気管支拡張薬 / β_2刺激薬 / サルブタモール |
Research Abstract |
【目的】平成13年度の成績から、ヒトにおいてPACAP(pituitary adenylate cyclase-activating peptide)1-27はサルブタモールと同程度の気管支平滑筋弛緩効果を認めた。そこで今回、PACAP1-27とその誘導体である[Arg15,20,21Leu17]-PACAP1-27-Gly-Lys-Arg-NH2(BM-PACAP)の気道拡張効果の強さと持続性について検討した。【対象・方法】ヒトの気管支標本を調整しマグヌス装置を用いカルバコールにより平滑筋収縮反応を誘導した。その後PACAP1-27とBM-PACAPのdose-dependentな平滑筋弛緩効果を観察した(in vitro)。さらに、両ペプチドの分解酵素阻害剤であるPhosphoramidon、Captopril前処置による弛緩効果の増強作用について検討した。【結果】1)ヒトの気管支平滑筋弛緩効果の強さはPACAP1-27=BM-PACAP=サルブタモールであった。2)弛緩持続効果は、PACAP1-27<BM-PACAPであった。3)ペプチド分解酵素阻害剤前処置によりPACAP1-27の弛緩効果を増強したが、一方、BM-PACAPの弛緩効果には影響を与えなかった。【考察】ヒトにおいてPACAP1-27誘導体であるBM-PACAPは、サルブタモールと同程度の気管支平滑筋弛緩効果を示し、さらに、PACAP1-27と比較して気管支平滑筋弛緩持続効果も認めた。以上の成績からBM-PACAPは気管支喘息の新しい治療薬として期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yoshihara S.: "Update on treatment for pediatric bronchial asthma"Chinese Society of Pediatric Allergy, Asthma, and Immunology. 5-6 (2002)
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[Publications] 吉原重美: "PACAP1-27とサルブタモールの気道平滑筋弛緩作用の比較検討"日本小児科学会雑誌. 106. 219 (2002)
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[Publications] 吉原重美: "小児喘息におけるβ_2刺激薬の用い方"アレルギー学会誌. 51. 891 (2002)