2001 Fiscal Year Annual Research Report
川崎病患児小腸粘膜細菌叢の病態発症への関与についての検討
Project/Area Number |
13670839
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山城 雄一郎 順天堂大学, 医学部, 教授 (10053159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 宜一 順天堂大学, 医学部, 助手 (90338335)
永田 智 順天堂大学, 医学部, 講師 (70266055)
清水 俊明 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30260889)
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Keywords | 川崎病 / 病因論 / 小腸細菌叢 / 通性嫌気性菌 |
Research Abstract |
川崎病患児8例の小腸粘膜表面より全例にほぼ共通した好気性菌4種,通性嫌気性菌3種を得た.このうち通性嫌気性菌は,通常の咽頭/後鼻腔,便培養では得られない細菌群であった.これらの培養上清のうち,同一症例のγグロブリン投与前の末梢血単核球に有意な増殖能をもたらすものは,共通の好気性菌2種,通性嫌気性菌2種であった.これらの培養上清を同一患児血清と反応させ,Western blottingにより反応した蛋白成分をlgG抗体を用いて検出した.その結果,全例でγグロブリン投与前の血清で検出されなかった各細菌の産生物に対するlgG抗体が投与後の血清にて検出されていた.以上より,小腸粘膜から検出された細菌の産生物が,患児単核球を増殖させ,何らかの免疫学的活性をもたらしていること,しかもその細菌産生物の産生時期は川崎病急性期であること,γグロブリンによりその中和抗体が供給されたことより,川崎病が治癒を迎えた可能性が大きいことが推測され,これら細菌産生物が川崎病の原因物質であることを強く示唆する結果と考えられた. 平成14年度の検討目標は,平成14年度の検討目標は,1.病因物質に対する抗体のprotein searchに基づき,病因物質を同定する.2.その原因物質が既知のもので市販されているものであれば,その抗体を上述の患児単核球刺激試験の系に加えることにより,単核球の増殖が抑制されることを観察し,in vitroで川崎病治療に有効であることを確認する.市販されていないもの,未知の蛋白であったら,シークェンスをもとにrecombinant技術を用いて作成することも将来的に考えている.従来のγグロブリン大量療法に代わる,コストのかからない,確実で,血液製剤由来の感染のリスクのない川崎病の新しい治療法とワクチンの開発やビフィズス菌等のprobiotics投与による予防法の確立に貢献できることを期待する.
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