2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670848
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
浅野 健 日本医科大学, 医学部, 講師 (70277490)
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Keywords | トポイソメラーゼ / エピジェネティクス / 薬剤耐性 / エトポシド |
Research Abstract |
薬剤耐性癌腫、特にエトポシドに対する耐性のメカニズムを解明するためにトポイソメラーゼII遺伝子のプロモーター領域のエピジェネテイクスを検討した。用いた細胞株はヒト・乳癌細胞株であるMDA細胞とそのエトポシド耐性株であるMDA-VP細胞である。トポイソメラーゼII遺伝子のmRNA、蛋白の発現はMDA細胞に比べてエトポシド耐性株であるMDA-VP細胞では著明に低下していた。遺伝子発現低下の原因としてプロモーター領域のメチル化が関与していると考え、bissulfide modificationを行った後の塩基配列の検討、5-aza-2'-deoxycyitidineによる発現の変化の検討を行った。親株、耐性株間でのメチル化しているプロモーター領域の検討は現在、進行中である。5-aza-2'-deoxycyitidineによりMDA-VP細胞のトポイソメラーゼII遺伝子のmRNAの発現は増加した。それに伴い、エトポシドヘの薬剤耐性も減弱していた。しかしMDA-VP細胞におけるmRNAの発現増加、エトポシドに対する耐性の克服はMDA-VP細胞においてのmRNA発現量、エトポシドに対する感受性までは至っていない。そこでもう一つの主要なエピジェネテイクスのメカニズムである遺伝子のアセチル化の関与も考えられたため、今後はアセチル化の変化ついても検討を加える予定である。さらに今後、アドリアマイシンのアナログであるMX2の耐性株でエトポシドに対しても交差耐性を持つK562-MX2細胞においても、その親株であるK562細胞との比較を行う予定である。
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