2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670849
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
宇理須 厚雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (20193972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柘植 郁哉 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (00231431)
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Keywords | 経口免疫寛容 / 鶏卵アレルギー / 特異的IgE抗体 / 特異的IgG4抗体 / オボムコイド |
Research Abstract |
経口負荷試験用卵白抗原として(1)凍結乾燥卵白(8g=鶏卵白1個相当)、(2)加熱卵白を含むクッキー(クッキー1枚で鶏卵約1/4個相当の90℃、60分間、加熱処理を施した卵白を含む)4枚、(3)加熱脱オボムコイド卵白を含むクッキー(卵白含有量は加熱卵白と同様)4枚、(4)プラセボは卵白を含まないクッキー4枚を用いた。寛解導入用抗原としては加熱脱オボムコイド卵白クッキー4枚を用い、14日間あるいは28日間連日経口摂取してもらった。終了後、再度、投与前と同じ抗原で負荷試験を実施し、陰性化するか否かを検討した。 凍結乾燥卵白(男:女=7:6、年齢4.5±2.7歳)あるいは加熱卵白(男:女=4:5、年齢4.0±1.6歳)経口負荷試験陽性でしかも加熱脱オボムコイド卵白による経口負荷試験が陰性の鶏卵アレルギー患児22人。 加熱脱オポムコイド卵白連日摂取後の経口負荷試験の結果は、凍結乾燥卵白陽性群は13例中8例(61.5%)、加熱卵白陽性群は9例中5例(55.6%)で陰性化した。全症例で検討すると、22例中13例(59、1%)で陰性化した。 連日摂取前後で測定した種々のパラメーターをみると、血中サイトカイン(IL-4、IL-5、IFN-γ、TGF-β)、血清総IgE値、特異的IgE抗体価(卵白、オボムコイド、ヤケヒョウヒダニ、牛乳、小麦)は有意な変動を示さなかった。 卵白特異的IgA、IgGも有意な変化はなかった。一方、卵白特異的IgG4は陰性化しなかった群だけが、連日摂取後、有意に上昇した。以上から、加熱脱オボムコイド卵白の連日経口摂取は鶏卵アレルギーの寛解を導入できる可能性があり、その機序には卵白特異的IgG4が関与していることが推測された。
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[Publications] Kondo Y, Tokuda R, Urisu A, et al.: "Assessment of cross-reactivity between Japanese cedar (Cryptomeria japonica) pollen and tomato fruit extracts by RAST inhibition and immunoblot inhibition"Clin Exp Allergy. 32. 590-594 (2002)
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[Publications] 宇理須厚雄: "食物抗原の診断と治療における修飾食物抗原の応用"日小児アレルギー会誌. 16. 154-158 (2002)
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[Publications] 徳田玲子, 宇理須厚雄: "アレルギー疾患と食物"アレルギーの臨床. 22(11). 865-870 (2002)
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[Publications] 宇理須厚雄: "食物抗原"アレルギーの臨床. 22(6). 432-436 (2002)
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[Publications] 宇理須厚雄: "小児食物アレルギー"現代醫学. 50. 311-316 (2002)
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[Publications] 宇理須厚雄: "蛋白アレルゲン"総合臨床. 52(3). 521-526 (2003)
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[Publications] Kondo Y, Tokuda R, Kakami M, Kawaguchi H, Urisu A: "Current advances in pediatric asthma and other allergic diseases"Oral allergy syndrome to tomato fruit : Identification of tomato allergens and demonstration of their cross-reactive with those from Japanese cedar pollen. 185 (2002)