2001 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷によって誘導される細胞死に関わる分子の細胞内局在
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13670859
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
宮下 俊之 国立小児病院, (小児医療研究センター)・先天異常研究部・遺伝染色体研究室, 室長 (60174182)
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Keywords | CNA損傷 / 細胞死 / アポトーシス / ミトコンドリア / カスペース / Bim / 選択的スプライシング / アイソフォーム |
Research Abstract |
放射線を始め細胞に加わる種々のストレスはミトコンドリアに集積され、ミトコンドリアからチトクロームc等のアポトーシスを誘導する分子が細胞質に放出されることが最近の研究から明らかとなった。依然不明な点が多いミトコンドリアに至る上流のシグナル伝達を解明する目的で、この経路において重要な役割を果たしていると考えられているアポトーシス誘導性Bcl-2蛋白質ファミリーのひとつBimに関する研究を行った。その結果、ヒトBimには今まで報告されている3種のアイソフォームの他に、新たに選択的スプライシングによって生ずる6種のアイソフォームがあることを明らかにした。そのうちの一部はアポトーシス誘導能が全くないこと、細胞内分布もミトコンドリア優位に分布するものと細胞質全体に均一に分布するものがあることがわかった。更に組織によって各アイソフォームの発現プロフィールが大きく異なることがわかり、組織特異的な発現制御機構が存在することが示された。 またDNA損傷で活性化されるP53の標的分子の一つとしてFas分子が知られている。Fasの下流にあり、アポトーシス実行分子としてはたらくシステインプロテアーゼであるカスペース8やカスペース10にも、プロドメインと呼ばれるアミノ末端領域のみからなるアイソフォームの存在が知られている。それがアポトーシスにおいて果たす役割を検討したところ、これらは全長からなるカスペース8,10のドミナントナガティブ分子としてはたらき、Fasを始めとするDeath Receptorを介する細胞死を特異的に抑制することを発見した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shikama, Y., et al.: "Comprehensive studies on subeellular localizations and cell death-inducing activities of eight GFP-tagged apoptosis-related caspases"Experimental Cell Research. 264(2). 315-325 (2001)
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[Publications] Cuddeback, S. M., et al.: "Molecular cloning and characterization of Bif-1. A novel Src homology 3domain-containing protein that associates with Bax"Journal of Biological Chemistry. 276(23). 20559-20565 (2001)
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[Publications] U, M., et al.: "Extended polyglutamine selectively interacts with caspase-8 and -10 in nuclear aggregartes"Cell Death and Differentiation. 8(4). 377-386 (2001)
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[Publications] U, M., et al.: "Molecular cloning and characterization of six novel isoforms of human Bim, a member of the proapontotic Bcl-2 family"FEBS Letters. 509(1). 135-141 (2001)
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[Publications] Okamura-Oho, Y., et al.: "Distinctive tissue distribution and phosphorylation of IRSp53 isoforms"Biochemical and Biophysical Research Communications. 289(5). 957-960 (2001)
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[Publications] Shikama, Y., et al.: "Death effector domain-only polypeptides of caspase-8 and -10 specifically inhibit death receptor-induced cell death"Biochemical and Biophysical Research Communications. 291(3). 484-493 (2002)