2003 Fiscal Year Annual Research Report
scarless wound healing(瘢痕を残さない創傷治癒)機構の解明
Project/Area Number |
13670861
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
今 淳 弘前大学, 医学部, 助教授 (60271798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 康司 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (50322946)
高垣 啓一 弘前大学, 医学部, 教授 (70163160)
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Keywords | 胎児創傷治癒 / 瘢痕 / ヒアルロン酸 / 再生 / 組織工学 / SAGE法 |
Research Abstract |
1.Differential Display(DD)法によるscarless wound healing (SWH)関連遺伝子の解析 SWH機構の成立している胎児ラットに特異的に発現或いは消失する遺伝子をDD法で繰り返し解析し,autosequencerでその塩基配列を決定した。その結果,fibromodulin,glycophorin遺伝子の発現増強,HOXやPRXのHomeobox遺伝子,TGF-β,PDGF,EGF遺伝子の発現消失あるいは軽減を認めた。 2.Serial Analysis of Gene Expression(SAGE)法によるSWH関連遺伝子の解析 高ヒアルロン酸(HA)環境がSWHには特徴的である。従って,ヒト皮膚線維芽細胞にHAを添加し,SAGE法によって高HA環境特異的に発現或いは消失する遺伝子を解析・同定した。その結果,35種類検出され,そのうち7種遺伝子は未知のものであった。既知の遺伝子の発現挙動はSWH機構とほぼ同様で,高HA環境はSWHのモデルになり得た。 3.SWH関連遺伝子のstable transfectantの調製及び皮膚への導入 1及び2で得られたSWH関連遺伝子のタンパク質発現ベクターを調製し,これをマウス線維芽細胞由来3T3に導入,stable transfectantを調製し,これをマウス皮膚の創傷部に細胞移植した。そして,創傷,瘢痕の消失,正常皮膚の再生が認められるかを解析した。SWH機構特異的とされるfibromodulin,glycophorinはじめとした各種遺伝子導入細胞の移植でも瘢痕は消失せず,更なる未知の遺伝子の存在,あるいは幾つかの遺伝子の発現の組み合わせによる可能性が考えられた。
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