2001 Fiscal Year Annual Research Report
乾癬のT細胞におけるケモカイン受容体発現およびサイトカイン産生の病因的役割
Project/Area Number |
13670872
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
稲沖 真 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (40242549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 和彦 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (50142253)
佐藤 伸一 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (20215792)
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Keywords | 乾癬 / T細胞 / CCR4 / インターロイキン4 / CXCR3 / インターフェロン-γ |
Research Abstract |
尋常性乾癬の病変形成の主体はCD4^+T細胞で、病変部皮膚および血液中でインターフェロンγ(IFN-γ)などの産生するT1細胞が増加していると考えられているが、T1細胞とT2細胞の比は正常との報告もある。そこでわれわれは乾癬におけるT1/T2バランスを明らかにするため、T1細胞に特徴的なケモカインリセプターCXCR3とT2細胞に特徴的なケモカインリセプターCCR4の発現を末梢血T細胞について検討した。また同一の血液サンプルについてT細胞のIFN-γとインターロイキン4(IL-4)の産生能も検討した。乾癬患者の末梢血においてCCR4^+CD8^+T細胞およびIL-4産生CD8^+T細胞が健常人に比べて有意に増加していた。さらに、末梢血CD8^+T細胞におけるCCR4陽性細胞/CXCR3陽性細胞の頻度の比およびIL-4産生細胞/IFN-γ産生細胞の頻度の比は乾癬の重症度の指標であるpsoriasis area and severity indexと有意な正の相関を示した。末梢血中のCD4陽性細胞に関しては、CXCR3陽性細胞、CCR4陽性細胞、IFN-γ産生細胞、およびIL-4産生細胞のいずれの細胞の頻度も乾癬患者と健常人の間で有意差は認められなかった。以上の結果から、乾癬患者の血液中においてCCR4陽性IL-4陽性CD8^+T細胞、すなわちtype 2 cytotoxic Tcellが増加し、病変形成あるいはその修飾に重要な役割を果たしていることが示唆された。今後はCCR4陽性CD8^+T細胞がIL-4を、CXCR3陽性CD8^+T細胞がIFN-γを産生しているかどうか確認するとともに、乾癬患者の皮膚組織におけるケモカインリセプターの発現について検討する予定である。
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