2001 Fiscal Year Annual Research Report
毛包分化過程研究のためのin utero遺伝子導入法と毛芽再構成培養法の開発
Project/Area Number |
13670887
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
松崎 貴 島根大学, 生物資源科学部, 講師 (90241249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪原 節之介 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (90101295)
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Keywords | レトロウイルス / 子宮内遺伝子導入 / 表皮細胞 / 毛包 / 細胞分化 / 再構成 |
Research Abstract |
レトロウイルスを用いた子宮内遺伝子導入法の条件検討を行った。胚齢8,0〜13,5日の羊水中に、Lac-Zレトロウイルスを注入し、陽性細胞の出現頻度を比較した。胚齢9.5〜10.5日に投与した場合が最も遺伝子導入効率が高く、胚齢により陽性細胞の出現部位が異なることが分かった。種々の補助因子の効果を調べたところ、poly-L-lysineは調べた全ての部位(背部皮膚、四肢、尾部)において遺伝子導入効率を向上させ、poly-L-ornithineは尾部への遺伝子導入効率を高めたものの、その他の部位への効果はさほど高くなかった。1胚当たりのウイルス投与量が1x10^5cfuまでは、ウイルス濃度を高めるにつれ遺伝子導入効率は上がるものの、それ以上のウイルスを投与するとかえって陽性細胞数は減少した。以上の結果より、レトロウイルスベクターを用いたマウス胎仔表皮細胞への子宮内遺伝子導入は、9.5〜10.5日胚の羊水中に30ug/mlのpoly-L-lysineを加えた1x10^5cfuの組み換えレトロウイルスを投与すると最も効率よく行えることが明らかになった。 もう一つの実験である毛芽再構成培養法の条件検討は、13.5日胚の頬部皮膚を用いて行った。毛芽再構成のための最適条件を探るために血清の種類や濃度、培養温度、ニワトリ胚エクストラクトの濃度などを検討したが、結果がばらつき解釈が難しかった。これらの結果を総合的に判断した結果、細胞解離法を改善することが必要であるとの結論に至った。トリプシン処理温度を、これまでの37℃に代えて4℃で行ったところ、比較的良い結果が得られたので、今後はこの条件を用いて種々の培養条件の検討を行うことが有効であろうと考えられる。
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