2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670888
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久保 宜明 徳島大学, 医学部, 講師 (10260069)
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Keywords | 表皮角化細胞 / Ras / CDK4 / 皮膚発癌 / 有棘細胞癌(SCC) / Cyclin D1 |
Research Abstract |
我々は、変異型p53、活性型RasとCDK4(cyclin dependent kinase 4)、hTERT (telomeraseの逆転写酵素)などをいろいろな組み合わせで初代ヒト正常表皮角化細胞に強発現させ、スキッドマウスの背部に移植し、遺伝子発現の組み合わせの働きをin vivoで観察した。そして、昨年度に報告したように活性型RasとCDK4の組み合わせによって、移植7週後に組織学的に有棘細胞癌(SCC)に合致する角化性腫瘍を認めた。その腫瘍形成過程における分子メカニズムを検討した。 Ras-CDK4による腫瘍では、ヒトの一般的なSCC同様、Eカドヘリンの発現減弱、Cyclin D1、VEGFやMMP2の発現亢進がみられ、Ki67陽性細胞の数も正常にくらべ有意に増加していた。次に細胞増殖亢進のメカニズムを詳しく調べるため、Cyclin D1(D1)、Cyclin D1の発現を抑制するanti-sense Cyclin D1(AS D1)、酵素活性のない変異型CDK4N158を発現するベクターを作製しin vivoの実験を行った。CDK4-D1のみでは腫瘍は形成されず、Ras-CDK4-AS D1やRas-CDK4N158では、腫瘍形成が完全に阻止された。Ras-CDK4における腫瘍形成には機能的なCDK4-D1が必須であり、また、CDK4-D1の組み合わせでは十分ではないと考えられる。RasとCDK4による腫瘍形成過程には、機能的なCDK4とCyclin D1が必須であることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Lazarov M. et al.: "CDK4 coexpression with Ras generates malignant human epidermal tumorigenesis"Nature Medicine. 8(10). 1105-1114 (2002)
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[Publications] Dajee M..et al.: "NF-kB blockade and oncogenic Ras trigger invasive human epidermal neoplasia"Nature. 421. 639-643 (2003)