2003 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー放電によるフラッシュX線装置の開発と応用
Project/Area Number |
13670911
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小原 春雄 東北大学, 医学部, 助教授 (90006362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸岡 伸 東北大学, 医学部, 教授 (90173947)
洞口 正之 東北大学, 医学部, 教授 (20172075)
大石 幹雄 東北大学, 医学部, 教授 (20004921)
本間 経康 東北大学, 医学部, 助教授 (30282023)
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Keywords | フラツシュX線管 / 冷陰極放電機構 / 高速度(μ秒)X線撮影 / Rogowski・coil / 完全静止画像 |
Research Abstract |
本研究で開発した高エネルギー放電によるフラッシュX線装置は、直流高電圧発生装置(15年度購入:DC100kV、0.6mA)、エネルギー蓄積コンデンサ(NH形直流用:定格容量0.2μF、定格電圧100kVDC)、冷陰極X線管、エアーギャップスイッチ、トリガパルス発生装置、小形高真空排気装置(VPC-250F:到達圧力10^<-5>Pa)で構成される。本装置の開発の目的は、焦点の大きさによる半影暈け(焦点暈け)、X線曝射時間による被写体の動き、および生体の運動による暈け(動きの暈け)に象徴されるように、X線画像の根源となるX線管焦点の縮小化、瞬間大電流によるX線曝射時間の短縮化である。この目的を確証するために、充電電圧80kV、陽極角度120°、陰極角度50°、陽極-陰極間距離0.4cm、管内真空度6.65×10^<-3>Paの条件のもとで測定を行った。冷陰極X線管の焦点は、ピンホールカメラ法を用いて2.0×2.5mmの大きさを得たが、電子の冷陰極電界放出を担う陰極材質および形状(陰極角度)に関係する。同陰極材質・同陰極角度のもとでは充電電圧(50〜100kV)の増加によって大きさはほとんど変化しなかった。しかし、陽極-陰極間距離では距離を短くすれば小さくなり、同陰極材質のもとで、陰極角を小さくするほど焦点も小さくなる傾向にあった。また、冷陰極電界放出の電子流密度が陽極先端に集中し、曝射回数を重ねることで陽極に消耗が伴い、焦点の大きさが変化した。今後、焦点の縮小化を図るためには、陽極・陰極材質および両電極の形状、電極間距離につい究明する必要がある。この究明により、高解像度のX線画像を取得することで、パターン認識の要件となる生体の微細構造のデータ構築を可能とする。曝射時間では半値幅で0.3μsec.、パルス幅10%で1.08μsec.となり、瞬間大電流(管電流4×10^4A)のもとで1.1μsec.の曝射が可能となった。被写体および生体の動きによる暈けに対しては、1.08μsec.(半値幅0.3μsec.)以下の曝射時間が可能となり、動きの暈けのない完全な静止画像を得ることができた。この結果より、高齢化に伴う老人、さらに脳卒中・脊髄損傷者を含む機能障害・能力障害の多くの被験者、意思疎通の少ない新生児・小児撮影に極めて有効であることが実証できた。生体の動態解明、定量解析に充分に対応できるものと考える。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Haruo Obara: "High Speed X-ray Generator for Biomedical Radiography"World Congress on Medical Physics and Biomedical Engineering. Sydney Australia. 141 (2003)
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[Publications] 小原春雄: "高エネルギー放電によるフラッシュX線装置の開発と応用"INNERVISI0N. 第18巻第8号. 45 (2003)
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[Publications] Haruo OBARA, Eiichi SATO Yasuomi HAYASHI et al.: "High speed stroboscopic x-ray generators and their image evaluations In medical radiography"高速度撮影とフォトニクスに関する総合シンポジウム2003. 講演論文集. 241-246 (2003)