2001 Fiscal Year Annual Research Report
改良フィシュ法を用いた染色体変異の検出による腫瘍放射線感受性の同定と臨床応用
Project/Area Number |
13670919
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊東 久夫 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20095574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 公一 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (80334184)
有賀 隆 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (20261901)
宇野 隆 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (30302540)
川田 哲也 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (60234077)
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Keywords | 放射線感受性 / AT細胞 / 染色体変異 / DNA損傷修復 |
Research Abstract |
癌細胞やリンパ球を用いて、放射線照射後に発生する染色体変異の解析は、従来から盛んに行われてきた。通常染色体解析はM期に細胞を同調して行ってきたが、効率が極めて悪く十分な成果が期待できない場合も多かった。また、形態の変化のみを指標とした場合、染色体変異の検出も感度が低く、転座の検出は難しかった。我々はカリクレインAを用いて染色体を濃縮し、G2期の細胞からも染色体を解析できる手技と、特定の染色体に対する抗体を用いて正確に解析する手技を習得し、染色体変異を極めて高い効率で検出することが可能となった。本研究は放射線照射が行われた培養細胞を用いて、放射線照射前後の染色体変異を上記の手技を用いて比較検討して、放射線感受性と関連する染色体変異を解明し、この知見をもとに、放射線抵抗性の細胞が持つ染色体変異を、感受性細胞の持つ特徴に変化させるため、照射の条件や薬剤について検討し、放射線抵抗性癌の治療効果を改善することを目的に検討した。放射線感受性が極めて高い細胞として、AT患者由来の細胞を用い、正常の線維芽細胞と照射による染色体変異を比較した。AT細胞は放射線感受性が極めて高いことが知られているが、その機序は未だに不明である。放射線照射後のDNA損傷の修復過程に異常があることや、細胞周期に異常があることが推定されている。本研究の結果では、AT細胞は修復過程で、G1期の修復が不良であることが示唆された。来年度はさらに詳細に検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kawata T, et al.: "Rejoining of heavy-ion induced isochromatid breaks in normal human G2 fibroblasts"Int J Radiat Oncol Biol Phys, 2001. (in press). (2002)
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[Publications] Kawata T: "Rejoining of isochromosomatid breaks induced by heavy ions in G2-phase normal human fibroblasts,156:590-602,2001"Rad Res. 156. 590-602 (2001)