2002 Fiscal Year Annual Research Report
超音波カラードプラ法による頭位性めまいの病態研究-頚部アプローチによる椎骨動脈波形解析-
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13670922
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
野村 邦紀 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (40251904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 正嗣 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (50159357)
將積 日出夫 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (60187507)
遠藤 俊郎 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (70125269)
金森 昌彦 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (20204547)
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Keywords | 頭位性めまい / 椎骨動脈 / Pulse Doppler / 頚部アプローチ |
Research Abstract |
1.目的頚部approachによる椎骨動脈波形解析にて、動的椎骨脳底動脈循環不全の診断を得るべく、頭位変側による波形変化を確定することが最終目的である。そのために正常若年成人にて椎骨動脈の正常profileを求めた。 2.対象23〜31(24.3±1.7)歳の成人男女67名。男性38名、女性29名の正常ボランティアである。 3.方法Color断層超音波診断装置TOSHIBA SSA-380A & 5.0MHz probeを用いた。椎骨動脈根部から第2頸椎の高位までを走査した後、第5頸椎の高位にて3波形を計測した。定量したparametalはVmax, Vmin, Vmean, Acc(加速率),PI, RI,血管断面積、血流量である。 4.結果(1)頚部approachにて椎骨動脈は起始部からC2高位までが観察可能であったが、定量性が担保されたのはC3,C4、C5、C6の4つの高位であった。(2)上記の4高位のうち、全例においてColor flow mapが明瞭で、血管角度が適当と考えられたのはC5高位であった。(3)男女2名づつに片側(右1名、左3名)の椎骨動脈の波形異常が見られ、正常破格と考えられた。この正常破格の存在割合は、ほとんど左右差の無い頚動脈に比して有意に高いと予想された。このことが頭位性めまいの発生原因の一つである可能性も否定できないと考えられた。(4)血流量の分配は右椎骨動脈血流量/全椎骨動脈血流量<0.45が34名、0.45〜0.55が14名、>0.55が16名であり、左椎骨動脈優位の者が明らかに多かった。(5)男女間有意差はなかった。(6)左優位者の群では血流量は、右105.5±37.7左225.0±54.4ml/minであった。左右差のない群では、右150.5±37.7左153.8±36.8ml/minであり、右優位者の群では右228.3±29.4左136.9±31.4ml/minであった。
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