2001 Fiscal Year Annual Research Report
X線及びシンクロトロンX線を用いた顕微鏡的三次元骨微細構造の解析
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13670949
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
伊東 昌子 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (10193517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 邦明 長崎大学, 医学部, 教授 (80039536)
古賀 揚維 長崎大学, 工学部, 助手
山口 朗 長崎大学, 歯学部, 教授 (00142430)
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Keywords | bone microarchitecture / mechanical property / synchrotron X-ray CT / micro-CT / osteoporosis |
Research Abstract |
1.骨微細構造と骨強度との間には一次あるいは二次相関が認められた。微細構造を表すパラメターのうち、骨梁の連結性の指標であるTBPfが最も骨強度との相関が高かった。 2.アルファカルシドール(ALF)投与による骨微細構造と骨密度、骨強度の変化を検討したが、エストロゲンの存在の有無によってALFの作用機序が異なっていることが確認できた。ALFの骨吸収抑制作用はエストロゲン分泌の有無と関係なく認められた。一方エストロゲン分泌(+)よりもエストロゲン分泌(-)の方がALFによる骨形成抑制作用がなく、薬用量でエストロゲン分泌(+)の状態と同程度まで微細構造、骨密度、骨強度が改善された。またエストロゲン分泌がない状態では、皮質骨多孔化が進行し、ALF投与にても抑制はできなかった。但し薬用量の範囲では骨強度に影響を及ぼすような皮質骨多孔化は生じなかった。 3.有限要素解析を用いた評価により、海綿骨骨梁構造の保たれている骨では骨梁構造が骨強度に大きく関与し、骨梁構造が劣化している骨では骨強度は皮質骨に依存していることが明らかとなった。 4.シンクロトロンX線(SR光)によるCT(SR-CT)として利用し、小動物の海綿骨と皮質骨の画像を得て、走査電顕(SEM)ならびにcontact microradiography(CMR)と比較して、SR-CTが骨の微細形態や密度差をどの程度まで観察できるか検討した。SR-CTにより高い解像度とpartial volumeのない鮮明な画像が得られた。汎用型マイクロCTでは観察できなかった吸収窩等の骨梁の表面形態や皮質骨のmineralizationの差異が観察できた。以上より、SR-CTでは非破壊性に骨質を評価できる可能性が示された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Satoshi Ikeda: "Effect of trabecular bone contour on ultimate strength of lumbar vertebra after bilateral ovariectomy in rats"Bone. 28・6. 625-633 (2001)
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[Publications] 伊東昌子: "骨微細構造と骨強度"腎と骨代謝. 14・4. 279-286 (2001)
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[Publications] Masako Ito: "Osteoporosis in the Japanese population"Seminars in Musculoskeletal Radiology. 5・2. 121-126 (2001)
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[Publications] Masako Ito: "Effects of lifetime volleyball exercise on bone mineral densities in lumbar spine, calcaneus and tibia for pre-, peri-and postmenopausal women"Osteoporosis International. 12・2. 104-111 (2001)
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[Publications] Chisato Miyaura: "Sex-and Age-Related response to Aromatase Deficiency in Bone"Biochemical and Biophysical research Communication. 280・2. 1062-1068 (2001)
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[Publications] Masako Ito: "Advances in experimental medicine and biology Vol 496 Noninvasive assessment of trabecular bone architecture and the competence of bone"Kluwer Academic/Plenum Publishers. 10 (2001)
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[Publications] 伊東昌子: "新・分子骨代謝学と骨粗鬆症"メディカルレビュー社. 17 (2001)
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[Publications] 伊東昌子: "骨粗鬆症ナビゲータ"メディカルレビュー社. 4 (2001)