2002 Fiscal Year Annual Research Report
熱失活DNA-PKの回復に対する熱ショック蛋白質(HSP)の働き
Project/Area Number |
13670950
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
井原 誠 長崎大学, 医学部, 助手 (60175213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 寛 長崎大学, 医学部, 助手 (00073130)
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Keywords | 温熱処理 / DNA-PK / Ku70 / Ku80 / Heat shock protein |
Research Abstract |
温熱処理によって、DNA-PKは失活する。温熱処理後、細胞を37℃に戻して培養を行うと熱失活したDNA-PKは回復する。我々はDNA-PKの熱失活はDNA-PK複合体のKu70/80ヘテロ二量体の一方又は両方の熱失活が原因であることを明らかにしている。熱失活したDNA-PKの回復はKu70/80ヘテロ二量体の熱失活からの回復の結果と考えられる。 温熱処理した細胞をシクロヘキシミド存在下で培養しても活性の回復がみられる。このことから活性の回復では失活した蛋白が再活性化しており、熱失活したDNA-PKの回復には熱ショック蛋白質が関与していると考えられる。熱ショック蛋白質の標的を調べる為にKu70/80ヘテロ二量体のどちらのサブユニットが温熱処理によって失活するかを調べた。温熱処理した細胞の抽出液を電気泳動後、ニトロセルロース膜に転写し、ウエスタンブロット法で含量の変化を調べた。全長のKu70蛋白質を抗原として作った抗Ku70ポリクローナル抗体を用いると、温熱処理によるKu70の量の変化はなかった。一方、全長のKu80蛋白質を抗原として作った抗Ku80ポリクローナル抗体を用いると、Ku80の量は温熱処理時間に伴って減少した。この結果から、Ku80が温熱処理によって失活しており、Ku70は温熱処理に対して抵抗性であることを示している。ところが、Ku70蛋白質の一部を認識するモノクローナル抗体、Ku70蛋白質の一部を抗原として作ったポリクローナル抗体を用いると、Ku70蛋白量は温熱処理時間に伴って減少した。この結果はKu70も温熱処理によって影響を受けている事を示している。 この不一致を確かめるために、Ku70又はKu80発現プラスミドを作成した。この系を用いてKu70又はKu80の一方を高発現した細胞を作成し、どちらの細胞が温熱処理による影響が少ないかを検討する。
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