2002 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療効果予測のための実用的な腫瘍の低酸素細胞分画測定法の開発
Project/Area Number |
13670955
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Research Institution | SAPPORO MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
永倉 久泰 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80244359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
晴山 雅人 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10173098)
大内 敦 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70168863)
坂田 耕一 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10235153)
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Keywords | 放射線感受性 / 低酸素細胞 / 微小血管密度 / 舌癌 |
Research Abstract |
1.腫瘍内酸素分圧の測定及び生検標本の免疫組織染色 70例の頭頸部癌や子宮頸部癌患者の腫瘍内の酸素還度の測定を、放射線治療前に、ポーラログラフィック酸素センサーを用いて、施行した。酸素分圧測定後に、測定部位より、生検をおこなった。 生検で得られた腫瘍組織を用いて、免疫組織染色を行なった所、癌組織のmicrovessel density(MVD)が低酸素分圧と良好な相関を持つことが認められた。従って、MVDを用いて、以下の研究を施行した。 2.Ki-67、MVDを用いた舌癌組織内照射の治療成績の分析 「目的」低線量率組織内照射は、舌癌の治療において、極めて有効である。しかし,その有効性の生物学的機序については、解明されていない。そこで、癌組織のMVDとKi-67 indexを測定し、局所制御率との関連を検討する。 「方法」1987年から1999年までの間にセシウム137針を用いた低線量率組織内照射を施行された舌癌T1〜T3、60例を対象とした。MVDとKi-67 indexは、治療前の生検標本を、それぞれ、抗CD34抗体、抗MIB-1抗体を用いた免疫組織染色にて求めた。MVDは、抗CD34抗体により染色された血管数を数えて求めた。Ki-67 indexは、抗MIB-1抗体で染色された細胞の全体の細胞数の比率で求めた。 「結果」単変量解析、多変量解析いずれでも、T stageは局所制御率と有意に相関しており、5年局所制御率は、T1で100%、T2で76.4%、T3で26.9%であった。単変量解析において、Ki-67 indexが低いほうが局所制御率が良好な傾向がみられた。MVDと局所制御率は、全く相関がみられなかった。 「考察」Ki-67 index、MVDと局所制御率の関係は、外照射で治療された喉頭癌や食道癌の結果と全く異なっていた。これらより、低線量率組織内照射は、休止期の細胞や低酸素状態の細胞に対して、外照射に比べ有効である可能性が示唆された。
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