2001 Fiscal Year Annual Research Report
高圧X線CT型定位集光放射線治療にかかわる基礎研究
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13670964
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
国枝 悦夫 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (70170008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 秀敏 東京都立保健科学大学, 放射線技術学科, 助教授 (50196002)
川口 修 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90276428)
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Keywords | 孤立性肺癌 / 放射線治療 / ファントム / 定位放射線治療 / エネルギー |
Research Abstract |
本補助金により、M.Cristyらの楕円による人体数式ファントム(成人男性胸部を単純化し、肺内中央部に直径2.0cmの球体を孤立性肺癌(GTV)として挿入したモデル)に基づいて、胸部の人体構造を模したファントムを作成した。X線をコリメータにより直径3cm程度に絞り、細ビームとし、このファントムに照射した。解析をおこなったところ比較的低いエネルギーの場合、ビーム軸に垂直方向、水平方向とも平坦性がよかった。一方、不均一部分の影響から、これまでの放射線治療で使われている、高エネルギーX線では、腫瘍と肺組織の境界面でなだらかな勾配が生じ、標的体積内での均一性が損なわれる傾向にあった。 平行して肺癌定位放射線治療のためのEGS4モンテカルロコード1,2)を利用した線量計算施行可能とした。単純肺モデルを使用したモンテカルロ法による線量分布の検討するため、コンピュータ・シミュレーションを施行して、実験困難な、様々なエネルギーにおけるX線エネルギーの違いによる肺内吸収の変化、微細線量分布などを求め、最適の照射エネルギーについて検討した。対向2門照射と比較して、180°回転3門照射は標的体積内の線量均一性が高く、照射体積を小さくできる結果であった。 標的体積の中心点の線量で正規化した場合、エネルギーが小さいほどGTV内の均一性は高く、平均線量は100%に近くなる。さらに、CTV内の肺組織(sub-clinicalな浸潤)に対しても均等な照射が可能である。線質による照射体積の変化は、6MVに対して4MVで+8%、10MVで-8%のみであった。これらの結果は、途中であるが学会報告し、さらに英文誌に投稿中である。
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