2001 Fiscal Year Annual Research Report
特定遺伝子の局在と発現とをin vivoで診る核医学的手法の開発
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13670965
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中村 佳代子 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (20124480)
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Keywords | オリゴヌクレオチド / Tc-99m / アンチセンス / mdr / P-糖タンパク質 / ジーンイメージング / 多剤耐性 |
Research Abstract |
本研究の目的は細胞内部の特定の遺伝子、または、挿入した遺伝子の生体内の局在と発現を検討するに際して、当該の臓器や組織を摘出せずに、非侵襲的にin vivoで事象を診る核医学的手法(ジーンイメージンング)を開発する事である。 研究はヒト類上皮癌細胞KB-31と、これに多剤耐性遺伝子mdr-1をトランスフェクトしたKB-G2を用いて開始した。 1.初期実験用として、c-mycに関連したオリゴヌクレオチドの修飾体を用い、これを海外共同研究者のD.Hnatowichの指導のもとに、Tc-99mにて標識した結果: (1)オリゴヌクレオチド修飾体はMAG3、HYNICのいずれのリガンドを用いても高い標識率にてTc-99mを標識することができた。 (2)当該のオリゴヌクレオチド修飾体のcomplementにビオチン-磁性体をコンジュゲートさせたものとTc-99m-標識オリゴとをインキュベートしてHPLCにて解析したところ、Tc-99m-標識オリゴの特異結合性が失われていないことが確認された。 (3)Tc-99m-標識オリゴと結合するP-糖たんぱく質(mdr-1発現物質)の基質を両細胞とインキュベートしたが、ここでは、KB-31とKB-G2との差が認められなかった。原因を解明中である。 2.更にmdr-1に関連したオリゴヌクレオチドをいくつか選択して、同様の方法でTc-99m標識を遂行した結果: (1)標識率に関してオリゴの種類は関係しなかった。 (2)KB-G2細胞へのTc-99m-オリゴの取り込みを検討したが、nativeのオリゴの場合は、細胞内への変性がおこり、取り込み率が低いのに対し、修飾体は高く取り込まれた。現在、当該の修飾オリゴについてのアンチセンス効果を検討中である。 次年度はリガンドを用いて修飾オリゴをTc-99mにて標識して、KB-31とKB-G2への取り込みの比較を行うこと、Tc-99m-標識キャリヤーの検討などを予定している。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 藤井博史: "Sentinel node検索の意義と方法"臨床放射線. 46(11). 1365-1372 (2001)
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[Publications] 中村佳代子: "遺伝子と臨床核医学(8):ゲノム、SNP、プロテオミクス"臨床核医学. 35(1). 11-13 (2002)
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[Publications] 中村佳代子: "遺伝子と臨床核医学(7):translation、翻訳、t-RNA"臨床核医学. 34(6). 90-92 (2001)
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[Publications] Gerson L.M. Prado: "Feasibility of Iodine-125 Labeled Anti-Human Hemoglobin Antibody in the Detection of Bleeding Sites from the Large Bowel - A Preliminary Study"Tohoku J. Exp. Med.. 194(3). 141-146 (2001)
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[Publications] Tadatoshi Nakahara: "Inexplicable suppression of hepatic uptake of gallium-67, a case report"Ann Nucl Med. 15(4). 377-379 (2001)
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[Publications] 中村佳代子: "遺伝子と臨床核医学(6):transcription、開始コドン、終始コドン、イントロン、エクソン"臨床核医学. 34(5). 72-73 (2001)
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[Publications] 鈴木天之: "低酸素イメージング製剤、^<99m>Tc-HL91(4,9-diaza-3,3,10,10-tetramethyl-dodecan-2,11-dione dioxime)の担癌ヌードマウスにおける生体内分布と腫瘍内分布"核医学. 38(4). 333-341 (2001)
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[Publications] Akitoshi Ishizaka: "Usefulness of Pulmonary Vascular Leakness Assessment in Interstitial Pneumonitis"CHEST. 119(5). 1455-1460 (2001)
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[Publications] 中村佳代子: "RI内用療法:モノクローナル抗体"RADIOISOTOPES. 50. 129S-134S (2001)
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[Publications] Kayoko Nakamura: "PREPARATION OF ^<99m>Tc-COLLOID WITH PARTICLE SIZE AS YOU LIKE FOR SENTINEL NODE DETECTION"J Nucl Med. 42(5). 20 (2001)
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[Publications] Kayoko Nakamura: "CAN TC-99M-HL91 UPTAKES IN THE TUMOUR PREDICT THE RESPONSE OF RADIOTHERAPY"Eur J Nucl Med. 28(8). 1194 (2001)
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[Publications] Kayoko Nakamura: "ASSESSMENT OF RADIATION SAFETY OF THE SENTINEL LYMPH NODE TECHNIQUE IN THE OPERATION ROOM"Eur J Nucl Med. 28(8). 1259 (2001)