2001 Fiscal Year Annual Research Report
パニック障害患者の側頭葉における機能・形態異常について
Project/Area Number |
13670992
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
塩入 俊樹 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40235487)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細木 俊宏 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (00313544)
|
Keywords | パニック障害 / 不安障害 |
Research Abstract |
平成13年度は交付希望期間の初年度に当たるため、まず、新潟大学医学部附属病院精神科に通院及び入院加療中の全患者を対象にして、パニック障害患者を抽出し、その臨床的特徴、治療経過、転帰等について再調査を行った。尚、調査年度は、約60分間の半構造化面接をDSM-IV診断基準に基づいて行っている1999年から2001年の3年間とした。また、気分障害などのComorbidityのある者は全て除外した。上記の方法により集められたパニック障害患者は約60名であった。この今回抽出されたパニック障害群としての特徴は、(1)発病から数年以上経てから当科を初診している者が多い。(2)治療についても薬物療法を既に試みられている者がほとんどで、多剤併用やベンゾジアゼピン系薬剤の長期投与などの問題も含んでいる。(3)慢性に経過すると広場恐怖が著しくなったり、救急外来の受診が頻繁となり、また人格的な偏りも顕在化し、QOLが極端に低下してしまう例も散見される。しかし、(4)発病後1年未満の者では、薬物療法を中心とした治療に対する反応性も良好な場合が多く、初診後約半年から1年以内にほぽ寛解状態となり、QOLの低下もほとんど認められず、維持療法期に移行可能となっている。従って、初期の治療がパニック障害の転帰に対しては特に重要であることが示唆させる。 来年度からは、発病後1年未満のパニック障害患者群の中で、パニック発作が消失してから少なくとも3ヵ月を経過した者から本研究に書面にて同意が得られた患者に対して、様々な角度から生物学的なアプローチを中心とした研究を行って行く予定である。
|