2002 Fiscal Year Annual Research Report
パニック障害患者の側頭葉における機能・形態異常について
Project/Area Number |
13670992
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
塩入 俊樹 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40235487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細木 俊宏 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (00313544)
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Keywords | パニック障害 / 自律神経機能 / 血圧反射 / マイヤー波 / 映像刺激 |
Research Abstract |
本年度の研究実績としては、前年度に当大学附属病院精神科を初診したパニック障害患者のうち、治療により完全寛解状態となり、かつ本研究の主旨に賛同し、書面にて参加同意の得られた13名と性別・年齢をマッチさせた健常被検者18名に対して、血圧反射(Broreflex)の機能を調べた。Broreflexとは、圧受容体を介した血圧の上昇を抑制する自律神経系の反射の1つである。パニック障害では、パニック発作時に動悸や頻脈などの循環器症状を呈しやすく、心・血管系の身体疾患(心筋梗塞など)による死亡率も一般人口の約4.5倍も高いと言われている。 方法は、精神的にストレス状態となるような視聴覚刺激(ビデオの映像と音響による)の前後で血圧および心拍数を連続的に測定し、それぞれのデータのゆらぎに対してフーリエ変換を用いて交感神経由来とされているマイヤー波成分(0.1Hz付近)のみを抽出し、血圧と心拍数によるBroreflexの機能を定量した。 結果は、パニック障害患者群では、完全寛解状態にもかかわらず、健常対照群と比較して視穂覚刺激の前後で血圧の上昇による心拍数の低下の反応が有意に早かった。また、映像刺激の前後の変化に関しては群間に有意な差は認めず、特にパニック障害患者が精神的刺激に脆弱であるという結果は得られなかった。 このことはパニック障害患者では生来的にBroreflexの機能に何らかの障害が存在する可能性を示唆する所見と思われる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kojima M., Shioiri T., Sakai M., Bando T., Someya T.: "Blink rate variability in patients with panic disorder : new trial using audiovisual stimulation"Psychiatry and Clinical Neurosciences. 56・5. 545-549 (2002)