2001 Fiscal Year Annual Research Report
家族性ならびに弧発性アルツハイマー病における臨床神経病理学的研究:分子遺伝学的視点からの免疫組織化学を用いた海馬病変の比較検討
Project/Area Number |
13670995
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
福谷 祐賢 福井医科大学, 医学部, 助教授 (10273004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 一夫 福井医科大学, 医学部・付属病院, 助手 (50262621)
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Keywords | Alzheimer's disease / Neurofibrillary pathology / Senile plaque / Hippocampus / Morphometry / Apolipoprotein E |
Research Abstract |
我々はこれまでアルツハイマー病の海馬皮質亜野における神経細胞脱落と神経原線維変化(NFT)形成の分布について検討し、家族性アルツハイマー病と弧発性アルツハイマー病における海馬病変の病理学的異種性について報告してきた。今回、家族性についてはアミロイド前駆体蛋白遺伝子変異(APP)4例とプレセニリン1遺伝子変異(PS-1)2例、弧発性ではアポリポ蛋白E(APOE)e4対立遺伝子の保有個数が異なる例(計22例)および正常対照8例の症例で、海馬皮質亜野での神経細胞脱落とNFT形成を定量的に解析し、APP、PS-1、APOEe4の海馬皮質におけるNFTを介する神経細胞死への関与について検討した。各症例において外側膝状体レベルの海馬前額断で5μmmと20μmmの脳組織標本を作製し、Kluver-Barrera染色やGallyas-HE染色を行い、海馬体をCA4, CA3, CA2, CA1, subiculumの5亜野に分けて観察し、NFTを有しない核小体の明瞭な神経細胞、核小体が明瞭な神経細胞内の原線維変化(I-NFT)神経外原線維変化(E-NFT)の密度を測定した。ここで得られたデータの統計解析を行って、痴呆の重症度、発症年齢、罹病期間、神経細胞脱落の程度、神経原線維変化の程度とAPOEe4対立遺伝子の保有個数またはAPP、PS-1との関連を調査した。その結果、APPとPS-1ではCA4、CA2〜1において神経細胞脱落とNFT密度の増加が高度であった。またAPOEe4を2つ保有するものは、CA1とsubiculumにおいてAPOEe4を1つ保有するものまたは保有しないものにくらべて有意に神経細胞脱落とNFT密度の増加が高度であった。現在、これらの標本で老人斑を計測するために抗βアミロイド抗体による免疫染色を施行中である。また今後、各々の症例数を増やす予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] S.Sudo, Y.Fukutani, R.Matsubara, K.Sasaki, M.Shiozawa, Y.Wada, H.Naiki, k.Isaki: "Motor neuron disease with dementia combined with degeneration of striatonigral and pallidoluysian systems"Acta Neuropathologica.