2001 Fiscal Year Annual Research Report
記憶における中隔バソプレッシンの果たす役割に関する神経内分泌学的検討
Project/Area Number |
13670996
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
杉山 仁視 山梨医科大学, 医学部, 助手 (00303420)
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Keywords | バソプレッシン / 恐怖条件付け / contextual fear / マイクロインジェクション |
Research Abstract |
contextual fearと恐怖条件づけに関してDesmedtの仮説に示された、異なった刺激による中隔バソプレッシン系の制御の違いについて検討を行った。それぞれの条件付けを今回購入した電気刺激装置一式を用いて行った。動物はラットを用いるがこれはマイクロダイアリシス法による検討を行うためにある程度の大きさの脳である必要があるためである。 ラットを購入(8週令)後、2週間のあいだ動物実験室の環境に慣らしたうえで、ハロセン麻酔下にラットの両側中隔にバソプレツシンまたはバソプレッシンのアンタゴニストを投与するために、ガイドカニューラを埋め込んだ。手術後1週間の同夜期間をおいてから行動実験を行った。動物を2群に分けて一群にはバソプレッシンを他群にはアンタゴニストをカニューらから投与し、検討を行った。Contextual fearでは、Desmedt(1999)の論文に準拠して実験ケージに移動してから100秒後に3秒間50Hz、0.9mAの電気刺激、さらに20秒後に63db、1kHz15秒間の音刺激を、さらに30秒後にも同様の音刺激を行いそれから30秒後に電気刺激(前回と同条件)、その後20秒で飼育ケージへ戻すというスケジュールで行う。条件づけでは100秒の後に15秒間の音刺激、続けて3秒の電気刺激を行う、これを60秒後に同様に行ってから飼育ケージへ戻す。これらの操作の翌日、実験ケージヘの被爆、および、飼育ケージでの音刺激63db、1KHzを行った。この翌日の被爆時のブリージング、立ち上がりの回数を測定し比較を行った。 AVP前投与群では、実験ケージヘの再被爆では他の群と比較してブリージングが少なく、また、4分経過後のブリージングが減少することから、恐怖条件づけではバソプレッシンがその記憶に関与していることが示唆された。他方contextual fearではバソプレッシンによる変化は認められなかった。
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