2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671013
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
下寺 信次 高知医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (20315005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三野 善央 大阪府立大学, 社会福祉学部, 教授 (80181965)
井上 新平 高知医科大学, 医学部, 教授 (20125826)
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Keywords | 心理教育 / 家族 / 感情表出 / 気分障害 / 経済効果 / コスト研究 / 再発 |
Research Abstract |
うつ病に関する文献を国内外より収集し、心理教育用のパンフレットを作成した。うつ病の生涯罹患率の比較や男女差などの疫学調査においては日本人においては男女差がなく、国際的に女性が多いこととは反する結果を得てパンフレットに記載した。また、日本において家族の感情表出(Expressed Emotion : EE)を測定する際、施行に2から3時間を要するスタンダードなCamberwell Family Interview : CFIとその簡略版であるFive-Minutes Speech Sample : FMSSとの妥当性について検証した。その結果、FMSSはCFIに対する妥当性が高く、面接時間が著しく短縮されることが明らかになった。これまで、精神分裂病研究を主体としてきたFMSS研究が、分裂病を対象にするよりも気分障害を対象とするほうが、望ましいことを初めて明らかにした。本研究においてはこのFMSSを用いて家族のEEを評価している。FMSSを使用することで家族の研究協力時の負担を著しく軽減することが可能となった。現在、家族への心理教育的なアプローチを開始することができている。 国際会議に出席し、日本のEE研究について発表し、本研究の内容の妥当性と国際的な研究の位置付けについて確認した。日本人は、感情の表出が欧米に比して控えめであるが、再発の指標となる感情表出のカットオフポイントは同じであるなど興味深い現象が確認できた。このことは比較文化的に日本人を対象とした研究が意味深いことを示唆していると考えた。 比較的短期間の間に教育効果を挙げることが出来ることとしては精神疾患の原因の理解であることを明らかにし、本研究の教育内容にも採用した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 下寺信次, 井上新平, 田中修一, 三野善央: "自宅訪問による心理教育-高知医科大学での実践-"Review. 35. 36-39 (2001)
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[Publications] Shimodera S, Mino Y, Fujita H, Izumoto Y, Kamimura N, Inoue S: "Validity of a five-minute speech sample for the measurement of expressed emotion in the families of Japanese patients with mood disorders"Psychiatry Research. (in press).
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[Publications] Mino Y, Yasuda N, Tsuda T, Shimodera S: "Effects of a one-hour educational program on medical students' attitudes to mental illness"Psychiatry and Clinical Neurosciences. 55. 501-507 (2001)
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[Publications] Shimodera S, Inoue S, Mino Y, Fujita H: "Comprehensive Treatment of Schizophrenia(分担執筆)"Springer-Verlag Tokyo. 404 (2002)