2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671013
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
下寺 信次 高知医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20315005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三野 善央 大阪府立大学, 社会福祉学部, 教授 (80181965)
井上 新平 高知医科大学, 医学部, 教授 (20125826)
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Keywords | うつ病 / 気分障害 / 家族教育 / 心理教育 / 感情表出 / 医療経済 / コスト研究 / 精神医学 |
Research Abstract |
生涯罹患率が10%を越えるといわれるうつ病を主体とした気分障害に関して、再発防止に関する臨床的な家族研究を行った。うつ病の患者の再発と関係する心理社会的な要因としては、家族の患者への態度や対応が関係していることが、臨床的に知られているものの、調査はほとんどなされていない。 対象者は国際診断基準にて、気分障害と診断されて入院となった患者と主要な家族とした。家族の患者への態度の評価スケールとして、家族の感情表出(Expressed Emotion : EE)を測定し、家族を感情表出の高い(高EE)群と低い、(低EE)群に2分して前向きに9ヶ月間の予後調査を行った。高EE群での再発率は85.7%と高く、低EE群では13.8%と低く、再発のリスク比は6.2と高かった。また、入院費を13000円、外来医療費を5200円とし、退院後9ヶ月間の医療費を2群で比較した。医療費のコストは9ヶ月で199418円と約200000円の差が見られた。高EE群の患者の医療費は低EE群と比較して、約2.3倍の医療費が必要であった。高EE群7名のEEの判定は5名が批判的コメントにより、2名が批判的コメントと情緒的巻き込まれすぎの両方で高EEの判定を受けた。 再発患者の多くが再入院となったため、入院費の差により高EE群で医療コストが高くなった。医療経済学的にも家族への心理教育的アプローチが必要と考えられた。高EE群と低EE群の9ヶ月間の医療費の差の約200000円は心理教育のコストを上回ると考えられる。心理教育を気分障害において実施していくにあたり、医療コストの削減につながることが示唆された。また、本研究の高EEの家族は批判的であることがほとんどであり、統合失調症の研究において証明されているように心理教育的なアプローチが情緒的巻き込まれの強い場合と比較してより効果的である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shimodera S, Mino Y, Fujita H, Izumoto Y, Kamimura N, Inoue S: "Validity of a five-minutes speech sample for the measurement of expressed emotion in the families of Japanese patients with mood disorders"Psychiatry Research. 112. 231-237 (2002)
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[Publications] Fujita H, Shimodera S, Izumoto Y, Tanaka S, Kii M, Mino Y, Inoue S: "Family attitude scale : measurement of criticism in the relatives of patients with schizophrenia in Japan"Psychiatry Research. 110. 273-280 (2002)
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[Publications] 下寺信次, 井上新平: "薬物療法と心理教育的療法との統合はいかにあるべきか"精神科臨床サービス. 2. 434-439 (2002)
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[Publications] Mino Y, Yasuda N, Tsuda T, Shimodera S: "Effects of a one-hour educational program on medical students' attitudes to mental illness"Psychiatry and Clinical Neurosciences. 55. 501-507 (2001)
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[Publications] 下寺信次, 井上新平, 田中修一, 三野善央: "自宅訪問による心理教育-高知医科大学での実践-"Review. 35. 36-39 (2001)
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[Publications] Shimodera S, Inoue S, Mino Y, Fujita H.: "Comprehensive Treatment of Schizophrenia(分担執筆)"Springer-Verlag Tokyo. 404 (2002)