2001 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス負荷時の視床下部室傍核・前頭前野における一酸化窒素とGABAの機能解明
Project/Area Number |
13671018
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
石塚 雄太 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (20264377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 康 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (20212897)
橋口 浩志 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40305090)
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Keywords | 視床下部室傍核 / 前頭前野 / インターロイキン-1β / 一酸化窒素 / GABA / マイクロダイアリシス |
Research Abstract |
インターロイキン-1β(IL-1β)を腹腔内投与すると,視床下部室傍核(PVN)における一酸化窒素(NO)代謝物(NOx^-)濃度が増加することがわかっている(Ishizuka et al.1998).前頭前野(mPFC)に選択的GABA拮抗薬または作動薬を投与すると,PVNにおいて,このIL-1β投与によるNOx^-濃度の増加反応にどのような効果をもたらすかを検討した.実験には,生後2〜3ケ月のウイスター系雄性ラットを用いて,まずペントバルビタール麻酔下,マイクロダイアリシス用のガイドカニューレをPVNおよびmPFC上方2mmの位置に固定した.その5日後,マイクロダイアリシス用プローブをPVN領域およびmPFCに刺入した.無麻酔無拘束の条件下でマイクロインフュージョンポンプを用いて一定の流速(1μl/min)で人工リンゲル液をPVN領域に灌流し,サンプルは、連続的にオートインジェクター付き酸化窒素分析システムに注入し,NOx^-濃度を定量した.定常状態として3時間測定後、IL-1βを末梢投与し、PVN領域におけるNOx^-濃度の変化を測定した.IL-1β末梢投与後,選択的GABA拮抗薬をmPFCに局所灌流投与し,PVN領域におけるNOx^-濃度の変化を測定した.また,同様にしてIL-1β末梢投与後,選択的GABA作動薬を、mPFCに局所灌流投与し、PVN領域におけるNOx^-濃度の変化を測定した. IL-1βを腹腔内投与したラットにおいて,mPFCにGABA拮抗薬を灌流すると,PVNにおけるNOx^-濃度の増加反応は有意に増強した.また,IL-1βを腹腔内投与したラットにおいて,mPFCにGABA作動薬を灌流すると,PVNにおけるNOx^-濃度の増加反応は有意に減弱した.これらのことより,mPFCは,GABA神経系を介して直接または間接的にPVNを抑制的に制御していることが示唆された.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Jin Q-H, Ueda Y, Ishizaka Y, Kunitake T, Kannan H: "Cardiovascular changes induced by central hypertonic saline are accompanied by glutamate release in awake rats"Am J Physiol Regul Integr Com Physiol. 281. R1224-R1231 (2001)
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[Publications] 石田康, 橋口浩志, 石塚雄太, 三山吉夫, 西森利数: "パーキンソン病モデルラット線条体のセロトニン活性と神経応答"Progress in Medicine. 21. 166-170 (2001)
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[Publications] Kannan H, Kunitake T, Kato K, Saita M, Shirasaka T, Nose K, Jin Q-H, Ishizuka Y: "Thermotherapy for Neoplasia, Inflammation, and Pain"Springer-Verlag, Tokyo. 280-289 (2001)