2001 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者うつ病の心理教育 認知行動療法的心理的介入の予防効果
Project/Area Number |
13671035
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
忽滑谷 和孝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00218257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高梨 葉子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90266643)
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Keywords | うつ病 / 高齢者 / 予防 / 心理教育 / 認知行動療法 |
Research Abstract |
Muno RFのDepression prevention courseを日本語訳にして、更に高齢者向けに簡略化をした。この心理的介入方の基本は社会学習理論に基づいているため、その理念に反しないように行った。65歳以上の高齢者を対象とするために、対象を特別養護老人ホーム入所者にその参加希望を募り、10名が候補にあがった。精神科面接にて、精神疾患の既往があるもの、重度の身体障害があるもの、認知障害があるものを除外した。これは、講習を理解できるかどうか、講習に耐えうる状態であるかを基準にした。MMSE(Mini mental state examination)にて、20点未満は対象者から除外となった。そして、7名に対して、講習は全部で4回、一回30分に短縮化した。また理解をえられるように、資料は、図や文字を大きくして説明をおこなった。参加者の平均年齢は82.3(SD10.1)、講習参加前のCES-D,HDSはそれぞれ点17.0(8.8),13.6(11.5)であった。軽度のうつ症状を呈していたが、臨床的にうつ病までには至らなかった。現在は講習3回目が終了したばかりであり、講習後の評価はまだできていない。しかし、今までの中で得られた経験より、高齢者への心理的介入の問題点がいくつかの問題点が浮き彫りにされてきた。1)講習への集中力が散漫になる、話題がそれやすい、話に固着しやすい、集団の中での力動が生じにくく、孤立して話し合いがなかなか続かない状態である、2)認知能力は低下してないも、難聴のために、話し合いの場に入りにくい場合がある、3)身体面での障害があるために車椅子でのADLの為に、行動面からの気分の改善が困難である(参加者全員が車椅子のADLであった)。しかし、3回の介入の中で、初めは気づかれなかった感情や行動を意識できる場面も見られ今後認知面での変化が見られる事が期待できた。
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