2002 Fiscal Year Annual Research Report
血小板膜上におけるGPIbとコラーゲン受容体GPVIのクロストークに関する研究
Project/Area Number |
13671056
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Research Institution | Faculty of Medicine, University of Yamanashi |
Principal Investigator |
浅妻 直樹 山梨大学, 医学部, 助手 (60293445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 由基男 山梨大学, 医学部, 教授 (30134539)
佐藤 金夫 山梨大学, 医学部, 教務職員 (20242662)
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Keywords | platelet / glycoprotein Ib / glycoprotein VI / von Willebrand Factor / tyrosin kinase / Src family kinase / PI3-kinase |
Research Abstract |
血小板膜糖蛋白glycoprotein(GP)Ibと血中von Willebrand因子(VWF)との結合、並びにユラーゲンに対する血小板受容体GPVIは共に血栓形成機構に中心的な役割を果たしており、この2つの受容体を介した血小板活性化機構を解明することにより、血栓性疾患の発症のメカニズムの解明、さらに治療法の開発に大きく貢献することが期待できる.これまでこれら2つの情報伝達系は独立して機能しているものと考えられていたが、我々はこれらの信号伝達系が密接にクロストークして血栓形成に関与しているという新しい可能性を提唱してきた.本科学研究の結果、我々はこの我々の新たな仮説を実証し、いくつかの非常に重要な知見を報告することができた.GPVIを介した情報伝達では、SrcファミリーキナーゼによりITAM配列をもつFc授容体γ鎖がチロシンリン酸化され、これが基になり血小板が活性化されることが知られている.本検討により、VWF-GPIbを介した信号伝達系においても、GPVIによる活性化と同様にSrcファミリーキナーゼ、特にSrc, LynによるFc受容体γ鎖のチロシンリン酸化がみられることがわかり、さらにこのFc受容体γ鎖がGPIbと恒常的に複合体を形成していることも示された(平成13年に英文雑誌Bloodに発表).その後の我々の検討により、Phosphinositide 3-kinase(PI3-Kinase)がGPIbに恒常的に結合しており、血小板の活性化によりSrcがPI3-Kinaseに結合してVWF-GPIbを介した信号伝達が生じることが判明した(英文雑誌Bloodにおいて印刷中).近年、細胞膜表面上にはスフィンゴ脂質やコレステロールに富んだマイクロドメイン(GEM)が存在し、この分画に信号伝達物質が局在することが報告されている.本研究では我々は、GPIbとGPVIがともに血小板膜上のマイクロドメインに分布していることを証明し、さらに免疫沈降法によりこれら2っの受容体が血小板膜上のマイクロドメインにて複合体を形成していることも明らかになった.以上のように本科学研究により、血栓形成における血小板GPIbとGPVIの両者を介した血小板活性化機構を解明することができた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Wu Y, Inoue K, Satoh K, Asazuma N, et al.: "Role of Fc receptor γ-chain in platelet glycoprotein Ib-mediated signaling"BLOOD. 97. 3836-3845 (2001)
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[Publications] Wu Y, Asazuma N, el at.: "Interaction between von Willebrand factor and glycoprotein Ib activates Src kinase in human platelets : Role of phosphoinositide 3-kinase"BLOOD. (印刷中). (2003)