2001 Fiscal Year Annual Research Report
造血システムの維持に関与するTecファミリーキナーゼの機能解析
Project/Area Number |
13671081
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
山下 義博 自治医科大学, 医学部, 助手 (10326861)
|
Keywords | 造血前駆細胞 / Tecチロシンキナーゼ / BRDG1 / ドッキング蛋白 / PHドメイン / B細胞抗原受容体(BCR) / CREB |
Research Abstract |
Tecファミリーキナーゼは造血組織に豊富に発現し、生体内血液細胞の維持に重要な役割を担っていると考えられる。BRDG1はN末端側にPleckstrin homology(PH)ドメインを一つと、全長にわたり多数のチロシン残基を有する新規ドッキング蛋白であり、Tecやc-kitの細胞内基質となりうることが明らかになっている。我々はルシフェラーゼcDNAを用いたレポーター実験を行い、B-cell antigen receptor(BCR)刺激によりTec-BRDG1を介して下流にどのようなシグナルが伝達されるか検討した。その結果BCR刺激によりもたらされるCREB, c-jun, c-mycおよびbcl-xL promoterの活性化のうち、BRDG1の強制発現によりCREBの活性化が著明にもたらされることがわかった。我々は更にマウスBRDG1のクローニングを試み、複数のポジティブクローンを得た。これらの全長塩基配列を決定したところ、ヒトBRDG1に相当する蛋白(Type A)の他に、PHドメイン内のN末端側33アミノ酸が欠失した蛋白(Type B)と、Type BのPHドメインのみからなる蛋白(Type C)をコードする3つのグループが存在することが明らかになった。この3種類のmRNAのうちマウス血液細胞株においてはType AおよびType Bが主に発現するのに対し、マウス線維芽細胞株ではType Cが発現していた。一方ルシフェラーゼ実験により、Type AはヒトBRDG1同様CREB活性化をもたらすが、Type B, Type CはCREB活性化に対しドミナントネガティブに作用することが明らかになった。これらの結果からTecは上流(BCR)から受けたシグナルを、会合分子(BRDG1)により種々の異なる作用を下流に伝達することが示唆された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Yamashita, Y. et al.: "Sak serine/threonine kinase acts as an effector of Tec tyrosine kinase"J. Biol. Chem.. 276. 39012-39020 (2001)
-
[Publications] Yokohari, K. et al.: "Isoform-Dependent Interaction of BRDG1 with Tec Kinase"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 289. 414-420 (2001)
-
[Publications] Miyazato, A. et al.: "Identification of myelodysplastic syndrome-specific genes by DNA microarray analysis with purified hematopoietic stem cell fraction"Blood. 98. 422-427 (2001)
-
[Publications] Ohmine, K. et al.: "Characterization of stage progression in chronic myeloid leukemia by DNA microarray with purified hematopoietic stem cells"Oncogene. 20. 8249-8257 (2001)