2002 Fiscal Year Annual Research Report
造血システムの維持に関与するTecファミリーキナーゼの機能解析
Project/Area Number |
13671081
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
山下 義博 自治医科大学, 医学部, 助手 (10326861)
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Keywords | Sakセリンスレオニンキナーゼ / Tecチロシンキナーゼ / チロシンリン酸化 / PEST配列 |
Research Abstract |
Tecチロシンキナーゼのキナーゼドメインをbaitとした酵母のtwo-hybridスクリーニング法によって単離されたSakセリン・スレオニンキナーゼはPlk/Poloファミリーに属する蛋白質である。Sakは970アミノ酸からなる蛋白質でそのN末端側にキナーゼドメインをもつ。Sak蛋白質は細胞増殖や、細胞分裂機構に関与する可能性が示唆されていたが、これまでSakキナーゼの活性制御機構は明らかにされてはいなかった。我々はまずSakとTec蛋白質の相互作用を明らかにする目的でSakがTecの基質となりうるか検討した。その結果293細胞内でSakはTecにより効率よくチロシンリン酸化されるのみならず、セリン残基やスレオニン残基が優先的にリン酸化されていることが明らかになった。このことはTecによりチロシンリン酸化されたSak蛋白質が活性化している可能性を示唆した。我々は実際にin vitroの実験でTecとの共発現によりSakのキナーゼ活性が著しく上昇することを確認した。我々はTecとの共発現によりSak遺伝子発現量は一定であるにもかかわらず細胞内Sak蛋白質量が著しく増加することを確認した。Sak蛋白質にはアミノ酸構造上2ヶ所のPEST配列が存在し、この配列を有する蛋白質は細胞内で早期に蛋白分解を受けることが明らかになっている。つまりTecによりチロシンリン酸化されたSak蛋白質はPEST依存性の蛋白分解機構から逃れ、その結果キナーゼ活性を維持することが出来るのではないかと考えられた。我々はPEST配列を欠失した変異型Sak蛋白質を発現し、チロシンリン酸化非依存性にSak蛋白質が活性を維持することを確認した。以上よりSakはTecのセカンドメッセンジャーとして血液細胞の増殖機構に関与する可能性が明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Makishima, H. et al.: "DNA microarray analysis of T cell-type Iymphoproliferative disease of granular lymphocytes"Br. J. Haematol.. 118. 462-469 (2002)
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[Publications] Yamashita, Y. et al.: "Sak serine/threonine kinase acts as an effector of Tec tyrosine kinase"J. Biol. Chem.. 276. 39012-39020 (2001)
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[Publications] Yokohari, K. et al.: "Isoform-Dependent Interaction of BRDG1 with Tec Kinase"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 289. 414-420 (2001)
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[Publications] Miyazato, A. et al.: "Identification of myelodysplastic syndrome-specific genes by DNA microarray analysis with purified hematopoietic stem cells"Blood. 98. 422-427 (2001)
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[Publications] Ohmine, K. et al.: "Characterization of stage progression in chronic myeloid leukemia by DNA microarray with purified hematopoietic stem cell fraction"Oncogene. 20. 8249-8257 (2001)