2003 Fiscal Year Annual Research Report
癌関連遺伝子MmTRA1の機能解析と白血病における臨床的意義の検討
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13671090
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
粕壁 隆 埼玉県立がんセンター, 研究所・研究室, 主任研究員 (50152658)
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Keywords | MmTRA1遺伝子 / リン脂質スクランブレース1 / 癌関連遺伝子 / 白血病 / 予後因子 / 分化 |
Research Abstract |
私たちはこれまでに、マウス単球性白血病Mm細胞の移植性と関連して発現する新規遺伝子のcDNAをクローニングし、MmTRA1a(Mm-1 cell derived transplantability associated gene 1a)と名付けた。また、正常型であるMmTRA1b cDNAをクローニングした結果、MmTRA1aは正常型であるMmTRA1bのN末欠損型であった。さらに、ヒトホモローグのクローニングを試み、正常型であるMmTRA1bに対するヒトホモローダを単離した。この正常型MmTRA1bはマウスおよびヒト白血病細胞の分化誘導に伴い発現が誘導されること、および、MmTRA1b蛋白質はその後クローニングが報告された細胞膜リン脂質スクランブレース1と一致する事を明らかにした。そこで、本年度は、ヒトMmTRA1bの白血病における臨床的意義を検討する目的で、急性骨髄性白血病(AML)患者の骨髄細胞における正常型のMmTRA1b遺伝子発現を測定し、白血病患者の生存率との関係を解析した。81人のAML患者の骨髄細胞からRNAを抽出し、RT-PCR法によってMmTRA1b mRNA量を測定した。FAB分類の中では、AML-M1,AML-M5aおよびAML-M5b患者のMmTRA1b遺伝子発現は健常人よりも低かった。AML-M2およびAML-M4患者のMmTRA1b遺伝子発現には患者間で変動していた。さらに、MmTRA1b遺伝子の高発現はAML患者の長期生存と有意に相関していた。 このように、今年度の研究では、正常型のMmTRA1b遺伝子の高発現が予後良好因子となることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yokoyama A: "MmTRA1b/phospholipids scramblase 1 gene expression is a new prognostic factor for acute myelogenous leukemia."Leukemia Res.. 28. 149-157 (2004)
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[Publications] Okabe-Kado J: "Physiological and pathological relevance of extracellular NM23/NDP kinases."J.Bioener.Biomemb.. 35. 89-93 (2003)
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[Publications] Yamamoto-Yamaguchi Y: "Induction of apoptosis by combined treatment with differentiation-inducing agents and interferon-α in human lung cancer cells."Anticancer Res.. 23. 2537-2548 (2003)