2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671097
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山縣 邦弘 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (90312850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 哲夫 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80111384)
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Keywords | 糸球体腎炎 / 進展様式 / 糸球体上皮細胞 / ミトコンドリア / ミトコンドリア遺伝子 / 巣状糸球体硬化症様病変 / IgA腎症 |
Research Abstract |
巣状糸球体硬化症様病変は、糸球体上皮細胞の機能的、形態的変化とそれに引き続き、糸球体係蹄とボウマン嚢との癒着をきたすことにより形成されると考えられている.糸球体上皮細胞は新たな細胞分裂や増殖をおこさない分裂終了細胞としても知られており、ミトコンドリアの遺伝子異常の蓄積を来しやすい筋細胞、神経細胞、心筋細胞と共通の特徴を持っている.そこで本研究では糸球体上皮細胞のミトコンドリア遺伝子ならびにミトコンドリア機能に焦点を当て、糸球体上皮細胞機能障害とその結果おこる形態異常からFSGS病変を形成される機序との関係を明らかにすることを目的とした。 本年度は以下の2点を中心に検討した。 1)巣状糸球体硬化病変を伴う他の糸球体腎炎での検討 巣状糸球体硬化症様病変を伴うものと伴わない、糸球体腎炎腎生検組織検体からDNAを抽出し、老化、虚血等の酸化的ストレスにより後天的に増加することが指摘されているミトコンドリアDNAの4977bpの欠失(いわゆるcommon deletion)の有無と遺伝子変異率を、PCR-RFLP、real time PCR法により検討した。その結果IgA腎症において遺伝子変異を持つ患者では、年齢、蛋白尿の程度、腎機能、糸球体の全層硬化病変の程度とは有意な関係はないもののの、分節状硬化病変ならびにボウマン嚢との癒着病変を持った糸球体の比率が有意(p<0.034)に高かった。この点については異常を持った上皮細胞の脱落、病変の進行に伴うミトコンドリアDNAの欠乏との関連を含め、更に検討する予定である。 2)腎生検糸球体組織内におけるミトコンドリア機能、ミトコンドリア遺伝子異常の検討 腎生検凍結切片において、蛍光標識ミトコンドリアDNAプローブを用いたin situ hybridizationにより、ミトコンドリアDNAを検出し、さらに同一切片において電子伝達系酵素であるミトコンドリア蛋白のcomple x I、COX I(以上ミトコンドリアDNAでコード)、ならびにCOX IV(核DNAでコード)、およびDNAの酸化障害マーカーとされる8OHdGの各モノクローナル抗体による同時染色を行い、糸球体構成細胞の各細胞レベルでのミトコンドリア機能ならびにDNA障害の有無を検討した。現時点において巣状糸球体硬化症腎組織において、糸球体上皮細胞内のミトコンドリアDNAの一部が8-OhdG抗体とも反応していることを確認、糸球体内のcomplex I、COX Iの分布も確認された。今後、症例数を増やし、蛋白発現の程度や分布を更に検討する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamagata K. et al.: "Accumulation of Mitochondrial DNA Mutations in Renal Epithelium in FSGS patients"J Am Soc Nephrol. 12(9). 130A (2001)
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[Publications] Hagiwara M. et al.: "Mitochondrial DNA Mutations in Diabetic Glomerulosclerosis"J Am Soc Nephrol. 12(9). 147A (2001)
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[Publications] Ishida K. et al.: "Factors Affecting Renal Function in 119985 Adults over Three Years"Quart J Med. 94(10). 541-550 (2001)
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[Publications] Usui J. et al.: "Heterogeneity of Prognosis in Adults IgA Nephropathy, Especially with Mild Proteinuria or Mild Histological Features"Intern Med. 40(8). 697-702 (2001)
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[Publications] Ebihara I. et al.: "Th2 Predominance at the Single-cell Level in Patinets with IgA Nephropathy"Nephrol Dial Transplant. 16(9). 1783-1789 (2001)
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[Publications] Hirayama K. et al.: "Specific T-cell Receptor Usage with Cytokinemia in Henoch-Schonlein Purpura Nephritis Associated with Staphylococcus aureus Infection"J Intern Med. 249(4). 289-296 (2001)