2001 Fiscal Year Annual Research Report
急性腎不全回復過程における間質細胞の役割に関する検討
Project/Area Number |
13671107
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤垣 嘉秀 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20283351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 明彦 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (60324357)
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Keywords | 急性腎不全 / 尿細管細胞 / 尿細管増殖 / ミィオフィブロブラスト / マクロファージ / mycophenolate mofetil |
Research Abstract |
酢酸ウラニウム誘発急性腎不全ラットの尿細管細胞回復過程での間質に出現するミィオフィブロブラスト(MF)あるいはマクロファージ(Mφ)の役割をmycophenolate mofetil(MMF)投与によるMF及びMφの間質浸潤抑制効果を用いて検討した。雄SDラットに酢酸ウラニウム5mg/kgを静注し急性腎不全を作成し、mycophenolate mofetil(MMF)投与群とvehicle投与群に分け酢酸ウラニウム静注後、連日MMFあるいはvehicleを経口投与し2、5、7日後に屠殺した。屠殺前にブロモデオキシウリジン(BrdU)を投与しS期の細胞をラベルした。vehiclel群では近位尿細管障害は2日より出現し、5日以降に免疫染色にてα平滑筋アクチン陽性MF、ED1陽性Mφ、CD43陽性リンパ球、BrdU陽性増殖細胞の有意な出現と血清クレアチニン値の上昇を認めた。MMF群では、7日目の近位尿細管障害スコアー、血清クレアチニン値はvehicle群に比べ高値で、5、7日の増殖細胞数は著明に減少した。またCD43陽性リンパ球の減少も認めたが、7日目のみであり細胞回復との関係は少ないと考えられた。vehicle群では増殖のピークである5日目にMMF群では免疫染色にてのMφ、MF、TGF-β1またmRNAレベルでのα平滑筋アクチンとTGF-β1の有意な減少が尿細管細胞増殖抑制所見と関連して認められた。これらの結果は、一過性に出現する間質MFおよびMφが本モデルでの細胞回復に重要であることを示唆している。
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