2001 Fiscal Year Annual Research Report
急性および慢性腎障害における酸化DNA損傷およびDNA修復機構
Project/Area Number |
13671117
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平方 秀樹 九州大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70181146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 恭一 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (90294925)
金井 英俊 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (20311839)
中別府 雄作 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30180350)
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Keywords | 酸化DNA損傷 / 8-oxoguanine / OGG1 / 急性尿細管壊死 / 虚血再灌流傷害 / シスプラチン / necrosis / apoptosis |
Research Abstract |
我々は,急性尿細管壊死モデル(腎虚血再灌流傷害,シスプラチン誘発腎障害)を用いて,尿細管細胞死における酸化DNA損傷(8-oxoguanine(8-oxoG))の関与,および腎の防御機構について検討を行った。まず,腎虚血再灌流傷害モデルを作成し,HPLC法による腎の8-oxoG定量,8-oxoG免疫組織染色,およびPAS染色,TUNEL法による細胞死の判定を行った。8-oxoGの蓄積は再灌流1時間後に最も多く,主に髄質外層外帯の尿細管細胞の核および細胞質に認められた。そこで,8-oxoGの修復酵素である8-oxoguanine DNA glycosylase(OGG1)について,RNase protection assayおよびin situ hybridizationで虚血再灌流傷害時の発現変動をみた。正常腎におけるOGG1の発現は,主に髄質外層の近位尿細管,遠位尿細管に認められたが,再灌流3〜6時間後,近位尿細管における発現の著明な低下を認めた。細胞死については,近位尿細管細胞にnecrosis,遠位尿細管細胞にapoptosisを認めた。次に,シスプラチンによる尿細管細胞死における8-oxoGの関与について,in vivoおよびin vitroで実験を行った。8-oxoGを免疫組織染色で,尿細管細胞死をTUNEL法,cell viability法,flow cytometry法で検討した。シスプラチン投与により尿細管細胞に8-oxoGの著明な蓄積を認め,その後,尿細管細胞は細胞死(apoptosisおよびnecrosis)に陥ったが,。抗酸化剤dimethylthiourea投与により,8-oxoGの蓄積,尿細管細胞死ともに著明に減少した。以上より,急性尿細管壊死において,8-oxoG蓄積が細胞死に関与している可能性が考えられた。
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