2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671126
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 誠 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10196868)
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Keywords | カルシウム / 代謝 / イオンチャネル / カルシトニン / PTM / vitD3 |
Research Abstract |
上皮型カルシム選択性チャネルECaC 1,ECaC2(=CaT1)の遺伝子発現の調節について検討した。まずCa制限食で飼育したラットでは、一週間後に血清Caが減少し、ECaC2の遺伝子発現が増えていた。詳しく時間経過を検討したところ1日後には発現は減少し、後に上がり、ホルモンが複雑に関与していると考えた。そこで、カルシトニンを投与し、一日後に発現を検討した。Ca制限食同様一日では血清のCaは変化無かったが、ECaC2の発現は上昇していた。腎臓のどの部位で、上昇するかを検討するため、免疫組織染色、単離した尿細管のRT-PCRを行い、ヘンレ上行脚であることを認めた。ヘンレ特異的に染色する抗体を用いて、この点を明らかにした。皮質のヘンレは、発現上昇は認められなかった。以上の結果はまとめて、アメリカ腎臓学会に発表し、現在投稿中である。 ECaC 1,ECaC2では1がCa選択性が高く、細胞内Caによるフィードバックもうけやすい。ポアー直下の構造は非常に相同性が高いが、ECaC2の587はHでECaC 1はQである点のみが異なっている。ECaC2H587Xを作成し、どの様な電気的性質の違いが認められるか検討した。その結果H587RはCaによるフィードバックを受けなくなるのに対し、H587N, Cは逆に低い細胞内Ca濃度でも強い抑制がかかっていた。H587Q>Hも明らかになった。この理由は、この親水性部分の立体構造の変化に由来するを計算で推定できた。この結果はアメリカ腎臓学会に発表し、現在投稿中である。 今後の課題;実験から、cAMPでCa吸収が増える理由は、このチャネルが膜に移行するからではないかと考えられた。CaC1Hという個人が存在するらしく(データベース)、そうならばCa吸収が低下している個人を予測できる。正常人8例の検討では、今のところECaC1Hは見つかっていない。
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