2001 Fiscal Year Annual Research Report
急速進行性糸球体腎炎による腎不全に対する線維芽細胞特異的な致死遺伝子の治療効果
Project/Area Number |
13671127
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
岡田 浩一 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60233342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 義彦 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (30276232)
鈴木 洋通 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80129494)
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Keywords | 急速進行性糸球体腎炎 / 抗基底膜抗体腎炎 / 間質線維化 / トランスジェニックマウス / thymidine kinase / gancyclovir / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
1、SJLマウスを羊IgGで前免疫した後、羊抗マウス糸球体基底膜血清を投与し、急速進行性糸球体腎炎(抗基底体腎炎)モデルを作製した。投与後3週目以降に有意な蛋白尿の出現を認め以降観察終了時まで高度な蛋白尿が持続した。腎臓膜抗の免疫組織学的検討では、蛋白尿の出現時期と一致して間質への単核球の浸潤が観察され、5週目以降間質の拡大と尿細管の萎縮が進行するにつれ、間質へのFSP1陽性あるいはTGF(transforming growth factor)-beta, Vimentin陽性細胞数増加と1型コラーゲンの間質への蓄積が認められた。RNaseプロテクションアッセイを用いた発現遺伝子の検討では、蛋白尿の出現に一致したMCP(monocyte chemotactic protein)-1, ET(endothelin)-1などの発現上昇と、それに続くTGF-beta, FSP-1, CTGF(connective tissue growth factor)および1型コラーゲンの発現増加が観察された。以上の検討より、人における急速進行性糸球体腎炎に続く腎間質線維化に極めて類似した病態をマウスに誘起せしめた事を確認した。 2、Balb/c系のbackgroundであったTKマウス(繊維芽細胞特異的プロモーター依存性アポトーシス誘導遺伝子トランスジェニックマウス)をSJLに繰り返しback-crossすることでbackgroundを改変した。同マウスに上記抗基底膜抗体腎炎モデルを作製し、蛋白尿の推移、経時的な腎組織学的所見および致死率を検討した結果、野生型のSJLに同モデルを作製した場合と疾患の重症度、進行過程ともに明らかな差異を認めなかった。当初の予定通りTKマウスを抗基底膜抗体腎炎高感受性マウスとすることに成功した。今後gancyclovir投与による腎間質線維化に対する治療効果を検討する。
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