2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671154
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 浩司 大阪大学, 医学部・附属病院, 助手 (60304060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今川 彰久 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
宮川 潤一郎 大阪大学, 医学部研究科, 講師 (00127721)
平出 敦 大阪大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20199037)
森脇 信 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | ベータセルリン / 1型糖尿病 / 再生 / 新生 / HB-EGF / 膵β細胞 / 分化 |
Research Abstract |
我々は内因性インスリン分泌能が絶対的に枯渇した状態にある1型糖尿病を根本的に治療することを目的に、膵β細胞再生促進を応用した糖尿病治療の開発を試みた。 これまでに、我々が独自に開発したアロキサン膵部分灌流モデルにベータセルリンを皮下投与すると、膵β細胞新生促進および耐糖能改善効果が得られることを明らかにした。しかし、ヒトへの応用を考えると、蛋白の皮下投与により他臓器への副作用が生じる可能性があり、その減弱を図る目的で、膵導管からの遺伝子導入を検討した。 1型糖尿病の治療を考えるときには、再生した膵β細胞を免疫機構による破壊から守るために、免疫抑制療法も並行して検討する必要があると考え、本年は1型糖尿病モデルマウスであるNODマウスは用いる前に、アロキサン膵部分灌流および全灌流モデルマウスを用い、検討を進めた。 ベータセルリンに先立ち、胎生期の膵に発現が認められるHB-EGF(heparin-binding EGF-like growth factor)遺伝子のコンストラクトが完成したので、膵導管からHB-EGF遺伝子を上記モデルマウスに導入すると、導管細胞でのHB-EGFの発現が認められ、導管から膵β細胞の新生も観察された。明らかな耐糖能改善効果は処置後1〜2週間という短期間では認められなかった。 一方、NODマウスに対しては糖尿病発症後CD3抗体を投与すると緩解することが知られているので、我々も追試し、本研究の併用療法として利用可能か否か現在検討中である。平成14年度は、1型糖尿病発症後のNODマウスにHB-EGF遺伝子およびベータセルリン遺伝子を膵導管から導入し、膵β細胞新生促進効果や耐糖能改善効果の有無を検討する。また、免疫抑制療法との併用も合わせて検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 宮川潤一郎, 森脇信, 山本浩司, 李銘, 松澤佑次: "糖尿病膵におけるβ細胞分化・新生機構と遺伝子治療の可能性"今日の移植. 14・4. 348-349 (2001)
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[Publications] 宮川潤一郎, 森脇信, 李銘, 山本浩司, 松澤佑次: "幹細胞のin vivo分化"Diabetes Frontier. 13・1. 45-49 (2002)