2002 Fiscal Year Annual Research Report
女性ホルモンが骨髄間質細胞の分化に及ぼす影響の細胞生物学的検討
Project/Area Number |
13671163
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
岡崎 亮 帝京大学, 医学部, 講師 (10297137)
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Keywords | タモキシフェン / エストロゲン / 骨芽細胞 / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
女性ホルモンはin vivoで骨密度の維持に最も重要な働きしているホルモンである。平成13年度には、マウスの骨髄間質細胞であるST2および、ST2にヒトエストロゲン受容体α(ERα)もしくはERβを過剰発現させたST2ERαもしくはST2ERβを用いて、17β-estradiol(E2)がこれらの細胞系において、bone morphogenetic protein-2(BMP-2)依存性alkaline phosphatase(ALP誘導を増強する一方、BMP-2もしくはtroglitazone(Tro)依存性脂肪細胞分化を抑制することを明らかにした。平成14年度は、その機序を明らかにする目的で、脂肪細胞分化関連転写因子のC/EBPα、C/EBPβ、C/EBPδの発現をWestern解析で検討したが、E2による明らかな変化は見いだせなかった。一方、E2同様にin vivoでは骨密度維持に働くSERM(selective estrogen response modulator)のタモキシフェン(TAM)作用を検討した。その結果、TAMは同じ系において、骨芽細胞分化については抑制的に作用し、E2によるALP誘導を阻害したが、脂肪細胞分化に関しては、E2同様に抑制し、このTAM作用は2型ER拮抗薬により阻害された。ST2ERαとST2ERβの間で、TAM効果の質的差異は認められなかった。したがって、ERを介した骨髄間質細胞の分化調節は、骨芽細胞分化と脂肪細胞分化については異なる分子機序を介しておこなわれていることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)