2002 Fiscal Year Annual Research Report
アミリン遺伝子変異(S20G)の催糖尿病作用に関する研究
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13671198
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
三家 登喜夫 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20187305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 眞智 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (00347585)
中峯 寛和 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70155810)
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Keywords | 2型糖尿病 / アミロイド / アミリン / IAPP |
Research Abstract |
アミリンは膵β細胞でインスリンとともに発現し血中に分泌されている生理活性様ペプチドであるが、2型糖尿病の膵ラ島に沈着してるアミロイドの原因物質であることより、糖尿病の成因との関連性が注目されている。本研究代表者らは、ヒトアミリン遺伝子変異(S20G)を発見、その頻度は日本人2型糖尿病患者の2〜3%を占めることが判明している。本研究の平成13年度では、合成した異常アミリンのin vitroにおけるアミロイド生成能が亢進していること、ならびにCOS1細胞に異常ヒトアミリンを発現させた場合には細胞毒性(催アポトーシス作用)がより強いことを明らかにした。 平成14年度はヒト正常(WT)および異常(M)アミリンを発現するノックインマウスを作成し、それらの耐糖能を比較することを目的に、まずノックインマウス作成のためのDNA断片を構築した。即ち、既にクローニングしたマウスアミリンのゲノム遺伝子の第3エクソンのアミノ酸20位を含む33個のアミノ酸残基に相当する部位をオリゴヌクレオチドを用いてヒト型(WT及びM)に変換した。また、polyAシグナルの下流にLoxPサイトに囲まれたネオマイシン耐性遺伝子とチミジンキナーゼ遺伝子(NeoTKカセット)を挿入し、さらにこの遺伝子断片の3'端には非リコンビネーションによる遺伝子挿入を除外するためにジフテリアトキシン遺伝子を連結した。この約18kbのノックインconstractをプラスミド[Bluescript IIKS(+)]のXho1/SacII siteにサブクローニングした。このプラスミドをlinealizeした後、電気穿孔法によりマウス由来のES細胞に遺伝子導入を行い、ネオマイシンを含むメディウムを使用して遺伝子が導入された細胞をクローニングした。WTおよびMそれぞれ20クローンを選びゲノム遺伝子を抽出し、サザンブロット法による選別により相同組換えしたクローンを得た。次に、得られたクローン細胞にCre Reconbinase遺伝子を一過性に導入しLox siteで囲まれた[Neo TKカセット]を除去し、WTとMそれぞれのノックインconstractを有するES細胞クローンを得た。得られたES細胞をブラストシストに挿入しキメラマウスを得た。今後、これらの中より性原基にES細胞由来の遺伝子を有するキメラマウスを選別することにより、ヒト正常アミリンまたは異常アミリン(S20-amylin)にみを発現する2種類のノックインマウスが得られるが、これらを使用することにより、アミリン遺伝子異常S20Gの際糖尿病作用が解明できると考える。
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